講座「落語を楽しむ」の講師を務める社会人落語家 仲亀 誠一さん 南栗原在住 67歳
「笑う」瞬間に惹かれて
○…落語好きが高じて、真打・三遊亭圓王師匠が主宰する「三遊会」(東京)の扉を叩いたのは5年前。初舞台は、その半年後。100人近い聴衆を前に、高座に上がり、座布団に腰を落ち着かせた瞬間、頭が真っ白になった。「お客さんの表情が何も見えなかった。科白を忘れないよう必死だった」。初舞台から5年、数々の舞台を経て「ちょっと、そこの人、笑い過ぎだよ」と聴衆に語りかける余裕も出てきた。笑いを取るのが難しいとされる「シリアス」な演目にも挑戦するようになった。9月27日の講座では5年間で体感した、落語の醍醐味を伝える。
○…仲亀社会保険労務士事務所(東原)の所長。本業をこなしながら、月1回ほどは師匠のもとで稽古。仕事が終わった後は、事務所の床に座り、壁に向かって練習する。帰り道も言葉をつぶやきながら歩く。「ブツブツ喋って。周りの人は驚きますよね」と笑う。これだけ情熱を注ぐ落語。その魅力を聞くと、「自分が意図した笑い所で、お客さんが笑ってくれた瞬間」と力説する。そのすぐ後に、「でも、実際はそうならない事もあります」と破顔一笑。上げては下げて、盛り上げては落として、そのトークは落語家ならではだ。
○…社労士は、企業から雇用、年金、メンタルヘルス対策などの相談を受ける専門家。会社員時代に資格を取得し、19年前に事務所を立ち上げた。創業時は「石の上にも3年」の精神で顧客開拓に奔走。昼間は営業、夜は遅くまでアルバイトと、身を粉にして働き続けた。現在も初心を忘れず、顧客第一をモットーに「どうすれば顧客のためになるか」を日々追求する。
○…東京生まれで、約30年前に座間に移り住んだ。2人の子どもは独立し、今は妻と2匹の愛犬と暮らす。今後の活動について、「落語をある程度までやりこみたいですね」とニンマリ。肩肘張りすぎず、楽しみながら、一所懸命に、その道を歩んでいく。
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