福祉の現場で取り組まれている先進事例を紹介し、表彰する「第3回かながわ福祉サービス大賞」に、市内栗原中央の「(有)ふれんどりぃ」(筒井すみ子代表)が選ばれた。筒井代表は11月19日に横浜市内で開催された「先進事例発表会」で、「利用者の生きるに寄り添って」をテーマに事例発表。生きていくエネルギーを引き出す介護について体験を交えながら語り、来場者の共感を集めた。
この発表会は、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会(=瀬戸恒彦理事長)が、福祉現場における先進的な事例の発掘などを目的に実施し、今年で3回を数える。
会場となった関内ホールには、事前審査を通過した7事業所の発表者が集まった。
4番目に登壇した筒井代表は、事業所を立ち上げた10年前を思い返しながら語った。定員7人の小規模デイサービス、一般住宅を改装してのスタートだった。
「当時、料理も電車に乗ることもできず、留守番も難しくなって入所してきた80代の女性利用者が言ったんです。『もう、生きていても、仕方ない』と」――。
「一緒にやれば、できるよ」と利用者の手を取り、ともに料理や散歩、雑巾も一緒に縫った筒井さん。「特に料理は素晴らしくて、サバの味噌煮の作り方もその女性から教わりました」
そんな経験から生まれたのが、地域の先生を招いてフラワーアレンジメントや歌を教わるデイサービス「おけいこサロン寿」や、利用者が軽作業などの「お仕事」を請け負う形で機能訓練を行う「デイサービスふれんどりぃ」など、生きがいを重視したサービスだった。現在は小規模多機能型居宅介護施設も含め5施設を運営し、年に1度は希望者全員を連れて旅行にもでかける。「認知症の方でも、関わり方次第で生きる力を引き出すことができるんです」。語気を強めて語った。
審査は来場者による投票を踏まえ、審査委員会が行った。215人の来場者に1人20ポイントの持ち点が与えられ、同事業所は約1000ポイントを獲得した。
「10周年の節目に、一度原点に立ち返ろうかと思ったんです」と、大賞応募の動機を語った筒井代表。結果を受け「これまで手探りでつっぱしってきた。常に『果たして、このやり方でいいのか』という葛藤と常に隣りあわせだったが、多くの人に認められてよかった」とコメント。大賞受賞については「初挑戦だったので、ただただ驚き」と、目を細めていた。
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