一風変わった名前の朗読グループ「ユニット・ぺぱん」――。フランス語で「果物の種」を意味する「ぺパン」から「地域に文化の種を撒こう」と、俳優としてテレビなどで活動する福井さん夫婦(座間市在住)が中心となって、2007年に結成した。北地区文化センターで年3回行う「大人のための朗読会」は、その朗読術はもちろん、演劇舞台さながらの演出が好評だ。あす1月31日(土)の午後1時30分から24回目の朗読会を開催する(1時開場)。
「非日常」に誘う演出が好評
会場は大ホール。朗読会を行う時は、いつものホールが舞台に様変わりする。入口には暖簾がかかり、窓には暗幕。開会前には、夫婦お気に入りのピアノ曲「ジムノペディ」がかかり、来場者を落ち着いた雰囲気へ誘う。舞台経験のある2人ならではの演出だ。
「ぺぱんは読み手の私たちだけでなく、朗読会に携わる全員で創り上げています」と、2人は口を揃える。開催には協力者が必要不可欠。音響、照明、どん帳の上げ下げ、進行表作成など演出に関連することから、宣伝・受付まで、センターの図書室スタッフなどが支えている。幕間には、ピアノサークルの人が演奏を披露する事もあるそう。
「朗読会を創り上げる」という点では、観客も大きな存在。作品リクエストに加え、屏風や座布団や草履など小道具を提供してもらうことも。「観客の皆さんと双方向の関係づくりが大きな特徴です」と話す。
「文字を音声化するのではなく、創作者の想いや魂を言葉にして伝えたい」――。朗読にかける2人の情熱は、多くの人を惹き付ける。平塚や藤沢など遠方から足を運ぶ人もおり、多い時には約130人が来場する。31日は、「文学性の強い作品から笑える落語までバラエティ豊かに」と、山本周五郎氏の「糸車」、乙川優三郎氏の「ビア・ジン・コーク」、落語の「芝浜」などを朗読する。観客に教えてもらったという、103歳の歌人・渡辺つぎさんの短歌も披露する予定。「日常生活を忘れて、朗読会を楽しんでもらえれば」と来場を呼び掛ける。
催しは参加無料で、先着150人。問合せは北文センター【電話】042・747・3361。
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