相模が丘仲よし小道のタイムカプセルプロジェクトのリーダーを務める 大原 靜男(しずお)さん 相模が丘在住 61歳
未来へ「決断と実行」
○…半世紀近く住民から「さくら道」と親しまれてきた緑道が、4年越しの整備を終えて遂に再生した。タイムカプセルプロジェクトでは「さくら道と、私の夢と―」をテーマに、市民から絵画や写真を募る。企画当初は、子どもに限定する意見もあったが、年齢に関係なく誰でも応募できるようにした。そこには「世代間の絆を育んで欲しい」という想いがある。さくら道を長年見守ってきた大人と、将来の成長を担う子どもの橋渡し。プロジェクトには、そんな意図を込めた。
○…生まれは東京で、1982年に相模が丘へ。再生前の緑道は、老木の染井吉野の枝が張り出し、満開の時季は花見客のゴミが散乱する事も。「沿道の住民は苦労していたと思う」。桜の美しい面だけではなく、その現実も目にしてきた。しかし、さくら道は住民の「思い出」が詰まった場所でもある。自身にとっても、亡き妻と散歩を楽しんでいた道。再生した緑道に植えられた桜は若木だが、タイムカプセルを開封する11年後には立派に咲き誇り、新たな思い出が多く生み出されることを期待している。
○…「オフィス・パインヒル」(一級建築士事務所/相模が丘)を53歳で立ち上げた。仕事に加え、自治会やさくら道の活動に追われ、ここ2年は休む暇が無い。一段落したら取り組みたいというのが習字。小さい頃、家で毎日書いていたこともあり、今でも年賀状は直筆にこだわる。「でも、一段落するのは5年後かな」と困ったように笑う。
○…仕事の信条は「決断と実行」。正確な決断に欠かせないのが情報収集だ。「知らない事なら、1人で悩まず専門家に相談する」。建築の仕事は、専門知識を要求される事が多く、いかに正確な情報を集めるかが鍵になる。多様な意見を聞く点では、プロジェクトも同じ。多職種の若手10人が名を連ねており、「1人でも欠けたら成立しない。皆の意見に耳を傾けながらまとめていきたい」と語った。
|
|
|
|
|
|