座間市野球協会の会長を務める 池上 恭司さん 緑ケ丘在住 67歳
人を育てる野球を
○…まだ座間が畑と田んぼだらけだった頃、子どもたちにとって一番の娯楽が野球だった。放課後には、空き地や校庭から野球少年たちの声が響いてきた時代。そんな少年の一人として育ち、人生を野球とともに歩んできた。当時からの憧れは、長嶋茂雄選手。テレビ画面にかじりつき、投球やバッティングのフォームをよく真似た。それから50余年。「協会には10歳からお世話になっているからね」。恩返しをしたい一心で会長職を引き受けた。
○…生まれも育ちも座間。小学生の頃、地区対抗の草野球大会に参加したのを契機に、中・高と野球部ひとすじ。就職後は座間中OBの仲間7人が集まり、ともにチームを立ち上げたことも。現在は還暦チームでプレーしている。「今は勝ち負けよりも、健康に皆で楽しくやることに重きを置いていて。でも、負けると本気で悔しがるんだけどね」と快活に笑って見せる。
○…身体を動かすことが好きで、毎朝のウォーキングを日課にしている。太陽が昇ると同時に家を発ち、谷戸山公園を散策。四季折々の風景を楽しんでいる。「時には、信じられないくらい素晴らしい景色に出会うこともあって」。未だに目に焼き付いているのは、葉が落ち切った冬の日に目にした、霧の上に浮かび上がる大山の山影。「街がすべて雲の下に沈んでしまって、その上に山が堂々とそびえて」―。その日に限ってカメラがなく悔しい思いをし、今では娘に貰ったデジタルカメラを日々持ち歩いている。
○…一むかし前に比べ、野球に没頭する子どもたちの数も減ってきた。「どうやったら野球の楽しさを知ってもらえるか。今の課題はそこかな」。将来第一線で活躍するのはほんの一握りだが、それでも野球から得られるものは多い。「伝えたいのは、正しい規律や姿勢。それにはまず、大人が示さないとね」。グランドにたつ子どもたちの、将来も見据えている。
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