谷戸山公園まつり実行委員会の会長を務める 野島 冨士雄さん 入谷在住 71歳
自然と地域に育まれて
○…秋の収穫を祝う催しとして、11月22日(日)に開催される「谷戸山公園まつり」。プログラムは、間伐材コースター作りやネイチャーゲームなど、里山風景が残る同園ならではの自然を尊重した構成にしたという。「公園を訪れる良いチャンス。子どもから大人まで多くの人に足を運んで欲しい」と呼びかけている。
○…公園まで歩いて数分の場所に暮らす。谷戸山は、幼い頃から親しんだ場所。小さい頃は、竹かごを担いで雑木林に分け入り、火を焚きつけるための落ち葉を拾い集めた。雪でも積もれば、ソリを使い坂道を滑り下りたそう。谷戸山は生活の一部であり、貴重な遊び場だった。それから数十年が経ち公園として整備されたが、園内に一歩足を踏み入れれば「小さい頃を思い出しますよ」としみじみ。お気に入りスポットだという「水鳥の池」のベンチに座り、子どもたちの元気な声に耳を傾ける――。そんな時間が大切だと語る。
○…退職後、住民が社会課題を解決する「星の谷地区社会福祉協議会」に参画するようになり、8年前からは会長も務めている。自身が発案したのが、「ふれあい子ども広場」。児童が交流する機会が少なくなった事を憂慮し、4年前から始めた。ニュースポーツなどを楽しめる催しで、今年は100人近くが来場したとか。「子どもたちが気軽に声を掛け合えるような地域になれば」と願っている。
○…父親は、自身が生まれて間もなく戦争で亡くなった。ただ、「親父がいたら…」と寂しい想いをすることは少なかったという。それは女手1つで育ててくれた母親の愛情に加え、常に気にかけてくれた「ご近所様」がいたから。母親に怒られた時は慰め、悪い事をした時は叱ってくれた。「地域の人たちに育てられた」という想いは人一倍強い。「少しでも、昔の恩返しが出来れば」――。実行委員会や地区社協の会長を務めている背景には、そんな感謝の気持ちがある。
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