カフェきづきで写真展を開催している 坂本 和幸さん 入谷在住 64歳
気ままに、理知的に
○…「起きている間は、写真か読書かの二択」。リタイアして早数年、以前から好きだった写真の世界に没頭する日々を送る。動物園へ出かけたり、都内の夜景を撮りに出かけたり――。車中泊をして撮影に臨むことも多く、数えきれないほどシャッターを切った。「パソコンにしまっておくだけではね」。どうせなら、キレイだなぁ、と思ってもらえる方がいい。そんな気持ちで精神障がい者の就労支援を行う「カフェきづき」での展示を思いついた。
○…北海道登別市生まれ。寒い上に不便だったが、力まずに過ごせる不思議な魅力のあるところだった。「決して裕福ではなかったんですが。母が、就職の時にふいに何か欲しい物はないかと聞いてきたんです」。特にないと答えたが、ともに出かけた先でふと入ったのが写真店。当時では、超のつく高級品だったPENTAXのSP-Fを買い与えてくれた。このカメラが、40年以上たった今でも現役の宝物になっている。
○…長年パソコン関連の仕事に従事してきた。所属する「栗コミフォトクラブ」ではその技術を活かし、デジタルデータの調整について教えている。「デジタル一眼というのは、同機種で同アングル、同じ設定で取れば同じような写真が撮れる。細かい設定やPCでの調整ができると、より自分らしい作品になる」。もっと全体が明るい方がいい、とアドバイスするのは簡単。その操作方法まで教え、「ソリューション(=解決策)」を提示するのが自分流だ。
○…「これまで培ってきたことで、人の役に立てれば、すごくいい」。来月からは写真展でお世話になった「きづき」で、利用者向けのPC講座を開く。「これからは、誰かのために」と、自然と考えるようになったためだ。「いずれは写真のスキルも生かし、福祉施設でその人らしさを活かしたシルバーポートレートを撮る活動もしてみたい」。「やってみたいこと」は、頭いっぱいに詰まっている。
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