文部科学大臣表彰を受けた座間中学校地域交流協議会の会長を務める 森谷 美佐夫さん 緑ケ丘在住 66歳
地域支える陰の立役者
○…「主役は似合わねぇからよ。黒子役の方が、性に合ってんだ」。市体育協会に市ゴルフ協会、市野球協会に市スポーツ推進委員。名刺は数あれど、その肩書はいずれも「副会長」。唯一、自身で会長を務める「座間中地域交流協議会」もやはり、PTAなどと連携して子どもを支える「縁の下の力もち」の要素が強い会だ。しかしその地道な努力が実り、12月に文部科学大臣表彰を受けた。
○…座間に生まれ育ち、サラリーマンを経て27歳で緑ケ丘にスポーツ用品店「モリヤスポーツ」を構えた。3人の息子に恵まれ、忙しくも幸せな日々。昨年惜しまれながら閉店した店舗では、地域の子どもたちとのかけがえのない絆が生まれた。今はより多くの時間と情熱を、地域に注ぐ。「何か頼まれた時、自分にできることならなんでもやろうと思って」。ひっそりと調整役を果たし、子どもたちを見守ってきた。
○…ずっと支えになってくれていたのは、長年連れ添う妻。地域を忙しく回る間、やんちゃ盛りの男児3人を抱えながら店番や家事をこなしてくれた。「特に料理は中々のモン」と太鼓判。妻の手料理目当てに息子とその家族たちが集まり、食卓を囲むこともしばしば。7人の孫が集まると、盆と正月が一度に来たかのようなにぎやかさだ。
○…昨年、突然病に倒れて大手術を経験し、現在は幼少からの趣味である野球を楽しめるまでに回復した。「貰った命だと思って、もっと人の役にたたなくては」。座間に生まれたからには、座間に恩返しをしたい。そんな気持ちが強まった。「人のため」は今や生き甲斐。先日は座間中の用務員と協力し、子どもたちの喜ぶ顔を想像しながらお手製門松を製作した。ちょっとした心遣いが、街の風景に少しずつ痕跡を残している。地域を結び、尽くし続け30余年。「お天道様はちゃんと見てくれてるからさ」。そこに特別な理由は必要ないそうだ。
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