座間市消防署の昨年1年間の救急出動件数(速報値)と搬送人員(同)がこのほど発表された。出動件数は2009年から年々増加を続けていたが、2015年は7年ぶりにマイナスに転じて5319件。同署の消防管理課では減少の要因について、市内各所で救急車の適正利用を呼び掛けてきたことが奏功したと分析している。
前年比でマイナス124件
同署では、本署・東分署・北分署にそれぞれ配備している救急車と、予備の1台を運用して要請に対応。昨年4月からは、座間市・海老名市・綾瀬市で通信業務を一元化し、相互に応援出動することで、より迅速な救急対応を構築している。
市内の出動件数は高齢者(65歳以上)の傷病者の増加などを要因に、2008年の4161件を底に、翌2009年(4348件)から増え続けてきた。7年前と比べて1300件ほど増えた状態だ。2015年は7年ぶりに出動件数・搬送人数ともに減り、それぞれ5319件と4932人となった。
急病者、減る
同課では救急出動を「火災」「自然災害」「交通事故」「運動競技」「労災」などにグループ分けしている。昨年に大きく減少したのが、体調異常や病気などに伴う「急病」。正確な数字は集計中だが、2014年の3641件から120件ほど減ったという。
これについて、同課では「救急車の適正利用を促してきたことが一因」と分析。ここ数年は、受診当日に帰宅できる「軽症患者」が、出動のおよそ半数を占めた。なかには緊急性が低いケースもあり、重症者への対応が遅れる可能性も懸念されていた。
同課ではこうした状態を改善しようと、救急法指導会や消防訓練などで市民に理解を呼びかけてきたという。
「1秒の遅れが影響」
同課では引き続き、適正利用を呼びかけていく考え。署員は「重症患者の場合、1秒の遅れが救命率に直結してきます。一刻も早く救急車を必要とする人のためにも、ご理解とご協力を」と話している。
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