年齢や障がいに関係なく誰もが暮らしやすい環境作りに貢献する団体・個人を称える「県バリアフリー街づくり賞」のソフト部門に、ダウン症や自閉症児への理解を促す公演を2003年から続ける「座間キャラバン隊」(敷島文(あや)代表)が選ばれた。障がい児の母親ならではのアイデアを盛り込んだ取り組みが、高く評価された。
手作り公演 13年で300回超
同制度は、施設を対象とした「ハード」と、取り組みを選ぶ「ソフト」の2部門。優れた事例を紹介することで、バリアフリーやユニバーサルデザインの啓発を図る狙い。第8回となる今年度はハードで5件、ソフトで1件が選出され、今月8日に県庁で表彰式が執り行われた。
先駆けとして活躍
キャラバン隊(http://zama-caravantai.jimdo.com/)が発足したのは2003年。知的障がい児(者)や保護者の団体「座間市手をつなぐ育成会」の会員有志が、自閉症やダウン症に関する公演を、相模野小学校で開催したのがはじまりだった。公演後は、特別学級(現・特別支援学級)を訪れる児童が増えたり、障がいのある子をからかうような行動が無くなったそう。「知ってもらえれば偏見は無くなる」。メンバーらは、そう実感したという。
当時、知的障がいについて啓蒙する団体は珍しく、同隊は「先駆け」の様な存在だった。一団を組んで各地を巡行するという意味の「キャラバン」の名の通り、市内外の小・中学校や福祉施設などを訪問し続け、これまでに開催した回数は300回超。本やDVDも作り、全国から依頼が舞い込んでくるようになった。
母ならではの発想
「障がいのある子って、どんな気持ち?」と題した公演は、障がい児の行動や感じ方、関わり方のコツ、親の気持ちなどを、紙芝居やアニメーションを通じて分かりやすく伝える内容。また、半分に切ったペットボトルにラップを巻き、目に当てて覗くことで、自閉症児の視野を疑似体験できるなど、主婦らしいアイデアも取り入れている。
受賞について敷島代表は「励みになります。13年にわたり続けてきたことが評価されたのかも」とコメント。参加者からの反響や、全国から依頼が来ることが支えになったと言い、「これからも心のバリアフリーの普及に貢献できるよう頑張っていきます」と抱負を語っている。
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