かにが沢鯉のぼり実行委員会の委員長を務める 進藤 敏行さん 広野台在勤 65歳
逆風はねのけ「鯉」揚げる
○…「かにが沢公園に鯉のぼりを飾らないか」――。初代実行委員長の故・神原米吉さんに相談を持ち掛けられたのが、2000年から続く活動の原点だった。この17年を振り返れば「波乱万丈」と表現する歳月だったという。鯉のぼりを揚げていた広場は、多方向からの風が渦巻く場所。初挑戦の年は25匹ほど吊るし、残ったのは3匹だった。研究を重ね「完成形」と自負できる掲揚方法を見つけたが、ロープを巻く支柱代わりの桜が伐採された。「やめようか」。これまでに何度か頭をよぎった。それでも、諦めることなく続けてきた。「終わらせるのは悔しい。近所の人や市役所の職員から『毎年楽しみにしています』なんて声もあって」。「素人」が始めた取り組みは、いつの間にか地元の風物詩になっていた。
○…同実行委員会のほか、市商工会の支部長やコミュニティセンター役員などの役職を兼任している。実は相模原市住まいで、「(座間だと)勘違いしている人も多くて」と苦笑い。1990年、経営するリフォーム会社を広野台に移したのを契機に、地域活動にのめりこむようになった。「人物風土記が載れば、知り合いの人からいっぱい声をかけられそう。恥ずかしいね」。相武台や広野台では顔の知られた有名人だ。
○…趣味は旅行。「仕事はプライベートに持ち込まない」と、オンとオフの切り替えは徹底している。なかでも旅行は、日常から離れられる貴重な時間だ。「日本全国くまなく回った」と語るほど。旅が終わればすぐ、妻と「次はどこに行こうか」と相談するそう。
○…4月23日に作業し、今年も無事に鯉のぼりを揚げた。「17年も続いているから、親子2代で見た人もいるかも」と話す。桜が伐採される前に比べて規模が縮小したが、まずは現状維持。「少しずつ拡大したい。委員会のメンバーとアイデアを出し合っています」。これからも不屈の精神で取り組んでいく。
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