座間市遺族会の会長を務める 片野 隆史さん 座間在住 67歳
体験者と若者の架け橋に
○…座間市遺族会は、戦争で親類を亡くした市民115人が所属している。終戦から71年が経った今、会員数減少が進んでいる。高齢を理由に退会する人が増える一方で、その活動を引き継ぐ後継者が減っているからだ。「私たち遺族は、平和の実現に向けてたゆまぬ努力を続けていかなければならない」――。活性化のアイデアとして、同会女性部における交流事業を考えているほか、小・中学生などに向けた啓発活動にも力を注ぐ意向だ。「そして、1人でも多くの会員を集めたい」と話す。
○…終戦の3年後に生まれる。伯父を戦争で亡くした。生還した父親は戦争について多く語らなかったが、時折、戦友たちの写真などを見せてくれたそう。戦争を体験していない分、父や母の跡を継いで同会に関わるようになってからは、書籍や新聞を通じて勉強に努め、資料館などにも足を運んだ。それでも、「体験された方々の話を聴くこと以上に、理解が深まることは無い」と断言する。高齢となった語り部たちと、戦争を知らない若い世代を繋ぐことが、役割の1つと捉えている。
○…座間で生まれ育つ。およそ30年にわたり座間市役所に勤務した。現在は妻との2人暮らし。趣味は料理で、定年退職後にスーパーでアルバイトをしたことをきっかけに始めたそうだ。特に得意だというのが味噌汁。「具材にこだわっている。妻からも好評だよ」と目を細める。
○…約300世帯が加入する河原宿自治会の会長を務めており、今は10月に行われるレクリエーション大会に向けて準備を進めている。「専門講師を招いて、地域の歴史や文化を学ぶ。座学のあとに散策したり。未加入者に河原宿の魅力を伝えたい」と熱弁する。遺族会の活動もあり、しばらくは、好きな旅行を我慢する日が続きそうだという。「凝り性と言うか、手を抜けない性格でね」と充実した表情で語った。
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