9月14日・15日に開かれる産業フェアの実行委員長を務める 椋(むく) 茂廣さん 相模が丘在勤 69歳
頼られるままに、全力で
○…「建築はチームワークだから」。辰街道沿いに建築士事務所を構えて約40年。職人や大工と組んで家を建てるのと同じように、地域の人々とも連携をはかり、街を盛り立ててきた。気づけば「困った時には椋さんに」と、頼られる存在になり、産業フェアでは2014年から実行委員長を務めている。「始まりは、横の繋がりが薄い工業者同士の交流会。でも、もっと広げちゃえ、と思って」。じわじわ門戸を広げ、現在は子どもから大人まで楽しめる催しに成長した。
○…小学生当時は無線や電機が好きな理系少年だった。そこから建築・設計の道を選んだ理由をこう語る。「造ったものがそのまま街の一部に、文化に、そして遺産になる。こんなに素晴らしい仕事はないと思った」。現在は県建築士事務所協会の副会長などの要職も務め、事務所でじっとしている暇は殆ど無い。「家族は困ってるかもねぇ」と屈託なく笑う。
○…自由に飛び回れるのも、会社を手伝う妻や、同じ建築士として事務所の実務をほぼ一人でこなしてくれている息子のお蔭だ。「跡を継げと息子に言ったことはないんだけど、自然とね」。一方で、周囲は跡継ぎ不在で閉店する店も増えてきた。そこに歯止めをかけようと、一昨年と昨年には産業フェアに高校生を招いた。「まずは、どんな仕事があるのかを知ってもらおうと思って。でも、こちらにとっても良い刺激になった」
○…フェア集客の新たな仕組みとして、各業界の職人による「本気のコマ回し大会」を昨年から始めた。街の畳屋からメーカーまで、多業種の職人がプライドをかけて自作コマを戦わせる企画だ。「中には緊張で手が震えて、コマが土俵に入らない人もいて」。大盛り上がりのうちに終わった企画を、今年は更にパワーアップするという。「自分が何でも屋になって、あの手この手で街が盛り上がればいい。やることは、まだまだたくさんあるよ」
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