プロボクシング界の「怪物」として注目を集める井上尚弥さん(23/栗原中央)と弟・拓真さん(20/同)、2人のいとこにあたる井上浩樹(こうき)さん(24/同)が9月4日、スカイアリーナ座間で試合を行った。集まった約3200人の観客から大声援を受けて3人は、地元・座間での凱旋試合を勝利で飾った。
凱旋試合に市民熱狂
スカイアリーナでボクシングの興行が行われるのは、尚弥さんが日本タイトルを獲得した2013年以来3年ぶり。会場の大体育室にはリングや観客席が設けられ、普段多くの市民が利用する体育館が、世界戦の舞台に様変わりした。
WBO世界スーパーフライ級王者として3度目の防衛戦となった尚弥さんは、同級1位のペッチバンボーン・ゴーキャットジム選手(タイ)と対戦。腰を痛めていた影響から、ガードを固める相手を崩し切れない展開が続くも、10ラウンドに連打を浴びせてKO勝ちした。試合後のインタビューでは「最後は意地で倒したけれど、そこまでの過程が駄目でした」と反省しきりで、「どんどん練習するのみです」と淡々と語った。
この試合を世界前哨戦と位置付けていた拓真さん。世界ランカーのフローイラン・サルダール選手(フィリピン)と戦い、第1ラウンドにダウンを喫するも、そこから冷静に組み立て直して主導権を手繰り寄せた。終盤に2回のダウンを奪い大差判定勝ちし、「KOできなかったけれど、最初以外は圧倒できたと思う」と振り返った。
浩樹さんは、インドネシア国内王者のヘリ・アンドリヤント選手に、2ラウンドTKO勝ち。プロ5戦目を圧勝で飾り、「まだまだ強くなって、上を目指します」と更なる飛躍に意欲を見せていた。
後援会の工藤元(げん)会長は「地元での試合に大きなプレッシャーもあったと思いますが、3人ともはねのけて見事勝利してくれました」と喜んだ。
拓真さん世界戦へ
5日、3人が所属する大橋ボクシングジム(横浜)で記者会見が開かれ、拓真さんが年末に世界タイトルに挑戦することが発表された。尚弥さんの世界戦も同時に行われる見込み。拓真さんは会見で「小さい頃からの夢である、兄弟世界王者を成し遂げたい」とコメントした。
工藤会長は「年末に向け、更なる応援をお願いします」と呼びかけていた。
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