地域医療向上へ　高まる期待と役割 取材協力／座間総合病院　渡病院長に聞く

　市内救急搬送の受け入れ率の改善や、地域医療向上への思いを込めて昨年４月に開院した「座間総合病院」。この８カ月を振り返るとともに、今後の展望について、同院の渡潤病院長に取材した。

―あけましておめでとうございます。座間総合病院の初代院長として、８カ月を振り返ってみていかがでしょうか。

　あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。この８カ月を振り返ってみると、率直な感想として慌ただしい日々でした。院内の仕組みから職員の教育体制など、ゼロからのスタートを切ったところでしょうか。ただ、そうは言っても系列である海老名総合病院から移ってきたスタッフも多く、院内の運用フローについてはすでに構築されていましたので、新規の病院よりはスムーズに進められてきたかと思います。

　現在は多くの関係者や市民の皆様のご理解もあり、おかげさまで外来患者さんも入院患者さんも順調に増えています。平均すると、外来患者さんは日に３００人弱で多い時は３８０人程度が来院されています。また入院患者さんも２７３人を受け入れ、ベッドは90％近く埋まっていることから地域において需要があったのだと感じております。そういった意味でも、やりがいのある場所で開院をさせていただき感謝しています。

―開院後、救急搬送の市内受け入れ率が20％台から40％台に上がりました。その一翼を担う病院としての考えをお聞かせください。

　市内救急搬送率の改善は、開院の大きな目的の一つでしたので、一定の成果があったことは良かったと思います。ただ市が掲げている目標値は80％とされていますので、さらに施策を考え改善を図っていく必要があります。救急車と救急救命士を含む隊員の院内待機や合同の勉強会など、消防本部と病院をつなぐ「救急ワークステーション」が当院にはあり、これを活用しさらなる連携を図ることで、数値が上がっていくと考えています。

―救急医療を担う病院が増えたことは市民の方の安心につながることと思います。病院を知る機会の一つとして10月から始まった「市民健康講座」は定員を超える大盛況ですね。

　そうですね。定員60人だったところ１００人を超える申込みがあり、本当に感謝いたします。初回の講座では、当院が座間にきた経緯や、市長や市民の熱い思いが込められての開院であること、来院から入退院までの一連の利用方法など、病院について私の方からお伝えさせていただきました。講座にお越しいただいた方は一度も当院を利用したことが無い方が大半だったということもあり、当院としても改めて地域に必要とされている実感を得ることができました。同じ内容のものを再度開講いたしますので、ぜひ、ご来院いただければ幸いです。ご案内は追って連絡いたします。

―今後の講座についても楽しみにしています。これからの病院の動きについて教えてください。

　運営をスムーズにしていくことが当面の動きになると思います。中でも回復期リハビリテーション病棟は90床用意していますがほぼ満床の状態にあり、数字を見るだけでもニーズの高さがうかがえます。当院でのリハビリ医療を終えた後に地域に戻って暮らせるよう、他の医療・介護機関との橋渡しを行う必要があると感じています。

　大きな動きとしては、まだ利用していない１病棟をオープンさせることです。これは最善の活用方法について現在検証中ですので、適宜開放していく予定となります。

　他にはアクセス面ですね。現在、相武台前駅や市役所を通るシャトルバスが運行していますが、今年からコミュニティバスの運行が予定されています。あがってくる課題を一つひとつ解決するための体制や環境を整備していくことが今年の動きになると思います。

―最後に市民へのメッセージをお願いします。

　公立病院ではなく、民間病院ではありますが「市民のための病院」と考えています。座間市民のためにスタッフ一同頑張っていきますので、要望などを含め、お気軽にご利用いただければと思います。

―ありがとうございました。