日本の音楽文化普及と座間市の地域発展を目的とした「第1回日本歌曲コンクール〜座間歌曲祭2017〜」の本選がこのほど、ハーモニーホール座間で開かれた。本選出場16人の中から、小林実佐子さん(ソプラノ)が第1位となり栄冠に輝いた。
座間歌曲祭は、(公財)座間市スポーツ・文化振興財団と(一財)ドイツ歌曲普及協会が主催。広く一般に向けて音楽文化に対する理解を深め、日本歌曲の認知度を高めるために、第1回目となる日本歌曲コンクールを企画した。
コンクールには全国から157人がエントリー。一次、二次予選を経て、4月23日の本選には16人が進出した。本選は課題曲1曲と自由曲で構成したものを約15分間で披露し、4人の審査員が審査、1位から3位までと聴衆者が審査する聴衆者賞などが決まる。
審査の結果、第1位に選ばれたのが、座間市演奏家連盟に所属する小林実佐子さん(ソプラノ)だ。小林さんは「予選を通して、出場する方々が情感たっぷりに歌われておりレベルが高いと感じていました。駄目かと思っていたので、本当に驚いて、実感がわかなかった」と1位に選ばれた瞬間を振り返る。同時にピアノ伴奏を務めたピアニストの篠宮久徳さんも優秀共演者賞を受賞した。
娘の姿を力に
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学大学院修士課程(オペラ科)を修了し、数々のオペラに出演している小林さんは、日本歌曲の勉強もしてきたという。審査員からは選曲が良かったなどと評価を受け、小林さんは「自分の勉強してきたことが認められたようで、勇気づけられた」とほっとした表情を見せる。
小林さんは、課題曲『秘唱』のほか、『悲歌』『さざんか』『ぼうさまになったからす』を自由曲として選び4曲を歌った。「性格的にはドキドキしてしまうタイプ」と話すが、1歳の娘を育てながらの参加に「娘の顔を思い出して頑張らなければならないと思った。会場も温かい雰囲気で、すごく落ち着いていた」と微笑む。
小林さんは、東京都足立区に「声楽教室うたのわ」を開講している。日本演奏連盟、日伊音楽協会、座間市演奏家連盟(山岸陽子会長)の会員。山岸会長とは親戚で、10年ほど前に入会した。これまで、北地区文化センターなどのコンサートに出演。2016年にはハーモニーホール座間で実施した「音のびっくり箱2016」に出演している。
「山岸会長は熱心に応援してくれた」と感謝の気持ちを言葉にする小林さん。今は子育てに忙しく、公演に出演する機会も少ないというが、「いつか入賞の記念に、座間市のホールでコンサートを開けたら」と話していた。
本選結果は以下の通り。(敬称略)【第1位】小林実佐子【第2位】金子美香【第3位】杉山知勢子【聴衆者賞】又吉秀樹【優秀共演者賞】篠宮久徳、田中悠一郎【奨励賞】高橋千夏
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