相武台在住の城条洋子さん(70)が6月11日、2018年度神奈川県県民功労者表彰を受けた。公共の福祉に貢献した人を称える県の最高表彰のひとつ。民生委員として長年、児童や高齢者の見守り活動を行ってきたことが高く評価された。
神奈川県は毎年、社会福祉や保健衛生、産業・経済、教育・文化など、各分野で長年活躍し優れた業績をあげた県民を表彰している。今年は39人が受賞し、市内では城条さんが唯一表彰された。「今まで受賞された方の功績をみると、身に余る光栄」と恐縮しながら笑顔を見せた。
城条さんは1995年、友人に誘われ民生委員の活動を始めた。知事の推薦により厚生労働大臣が委嘱する民生委員は、高齢者や障害者、子育て世帯などの様々な相談に応じるボランティア。必要な支援が行き届くよう、行政機関などとの橋渡し役も担っている。
城条さんは相武台周辺の約400世帯を担当。30軒ほどある一人暮らしの高齢者世帯を2カ月に1回訪問し、市役所からの連絡事項を伝達。体調の変化を感じ取れば関係機関へ報告するなど、高齢者の見守り活動に従事してきた。
子どもの見守りに注力
特に力を入れたのが、貧困世帯をはじめとした子どもの見守りだ。「色々な案件があった」と振り返る城条さん。親から性的虐待を受ける子や、母親がおらず食事をとれない子、両親から家に置き去りにされる子など、一筋縄ではいかないケースが多々あった。
それでも活動を続けたのは「人のために何かお手伝いできれば、明るい気持ちになる。何より自分にとって勉強になることが多かった」と語る。
2006年からは毎朝、通学路に立って登校する子どもたちを見守っている。「顔の見える関係を築けば、『あの人になら相談してもいいかな』と思ってくれるかもしれない」と語るように、顔の見える関係構築がこれからの課題だ。
来年11月末で、今期の任期満了を迎える城条さん。「マンションなど閉鎖的な場所でも、戸を叩いて開放していかないと。困っている人の声が聞こえてくる地域づくりのため、風通しがよくなっていけば」と話した。
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