座間市はこのほど、大規模工場などを対象に緑地面積率を定めた条例を制定した。これにより、敷地面積9000平方メートル以上、建築面積3000平方メートル以上の工業・工業専用地域の緑地面積率は、従来の15%以上から5%以上に緩和された。市は、市内工場の再投資を促進するとともに、市外流出を防ぐ手立てとしたい考えだ。
工場内の緑地は、周辺の生活環境との調和を図る「工場立地法」により整備が定められている。これまでは県の準則に従い、緑地面積は敷地面積の15%以上、噴水や運動場をはじめとした環境施設面積は20%以上となっていた。
2016年、第六次地方分権一括法の改正に伴い、各市町村が個別に設定できるようになった。そのため県の準則は昨年4月に廃止。市は早期に準則を定める条例制定をめざしてきた。
9月に行われた座間市議会第3回定例会で「座間市工場立地法第4条の2第1項の規定による準則を定める条例」が賛成多数で可決され、10月1日に施行となった。
市、経済効果に期待
座間市の総面積1757ヘクタールに対し、準工業地域・工業地域・工業専用地域は283ヘクタールと、約16%を占める。2014年経済センサス基礎調査によると、市の製造業全体の付加価値額(企業がその年に生み出した粗利)は300億円を超え、次点の卸売業・小売業の約140億円を大きく上回る。従業員数も最多で、市は雇用創出と税収確保などの面から、製造業を主要産業と位置付けている。
今回の規制緩和により、座間市の準則は横須賀市と並び、県下で最も低くなった。市内工場にとっては設備投資しやすくなるため、市商工観光課の担当者は「雇用増や経済効果の余波につなげていけたら」と期待を寄せる。
一方で、市議会では「産業振興と環境保全は、一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないというトレードオフの関係ではない」といった反対意見の声も上がった。
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