神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
座間版 公開:2018年12月14日 エリアトップへ

細金文房具店 児童との触れ合い胸に 50年の営業に幕 20日に閉店

社会

公開:2018年12月14日

  • LINE
  • hatena
1人で店に立ち続けた店主の細金みね子さん
1人で店に立ち続けた店主の細金みね子さん

 相模が丘の文具専門店「細金(ほそかね)文房具店」(相模が丘4の3の1、【電話】046・252・0839)が12月20日(木)で閉店し、50年の歴史に幕を下ろす。座間で営業を続けてきた小さな店が、また一つ姿を消す。

 ジャポニカの学習帳に筆記用具、半紙や絵具…。細金文房具店は、1968(昭和43)年開業。店主の細金みね子さんが、夫の仕事の都合で横浜から越してきた際、当時1歳だった長男を抱えながら自宅でできる商売はないかと始めた店だ。当時はどこも道が舗装されておらず、畑や木造の家が点在する程度だったが、たまたま自宅周りに牛乳屋や雑貨屋、花屋などの商店が連なっていたことや、相模野小学校(1962年創立)が近くにあったことなどから、文房具店としてスタートした。

 朝、子どもの世話をしながら7時半には店を開け、小遣いを握りしめてノートを買いに来る児童を迎え入れた。放課後から夕方の時間帯が混雑しやすいため、昼ご飯をかきこんだら急いで夕飯の下ごしらえに取り掛かるのが日課だったという。「3年後に長女が生まれ、おんぶしながら店に出ていました。高校に受かったことを伝えに来てくれる子もいて、店に来る子とのおしゃべりも楽しかったですね」と当時を懐かしむ。

 子は2人とも巣立ち、ひ孫の顔も見られた。77歳になり、「元気なうちに店仕舞いを」と夏ごろから準備を始めてきた。近所に住み、よく同店を利用するという女性は、「包装紙が一枚ほしいとき、ここの方が大型店に行くより近いし手軽に買いやすかった。閉店すると聞いて悲しい」と肩を落とす。近隣の学校関係者は「遠足のおやつを買いに、児童がよくお世話になった場所」と話した。12月に入り、入口に閉店を知らせる貼り紙を掲示すると、かつて来てくれた子が何人か訪ねに来たという。「自分の子の成長と一緒に、地域の子の成長も見られた。最近体力づくりを始めたから、来年は旅行にでも行きたいですね」と穏やかに話した。

 現在、売り切りのため商品は少なく、文具の他に凧や羽子板などの正月おもちゃ、駄菓子などが陳列されている。営業時間は10時から午後5時半。日曜定休。

創業当時の店先(上)と、現在のたたずまい(下)
創業当時の店先(上)と、現在のたたずまい(下)

座間版のトップニュース最新6

交通拠点設置を目指す

相武台南口

交通拠点設置を目指す

行政・地域協力し実現へ

1月31日

花壇活動続けて20年

さがみ野

花壇活動続けて20年

「孫誕生がきっかけで」

1月31日

9年ぶりの頂点目指す

9年ぶりの頂点目指す

東海大相模 春の選抜出場

1月31日

戦闘機「雷電」の部品発見

戦闘機「雷電」の部品発見

所有者から市に寄贈

1月24日

「凧」通して地域と交流

座間養護学校

「凧」通して地域と交流

座間市大凧保存会と

1月24日

3月6日オープン

市内初映画館

3月6日オープン

最新鋭の映像機器導入

1月17日

あっとほーむデスク

  • 11月8日0:00更新

  • 11月16日0:00更新

  • 4月20日0:00更新

座間版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2020年1月31日号

お問い合わせ

外部リンク