市内にある公立保育所6カ所を、すべて民営化する計画が盛り込まれた「厚木市立保育所民営化基本計画(案)」が、今年1月、保育所に子どもを通わせる保護者に示されました。民営化する理由は大きく分けて3つ。
【1】 保育時間の拡大
【2】 幼児教育等独自サービスの提供
【3】 国・県の補助金が市に入る
公立保育所の特徴の一つに、保育士の年齢の幅が広いことがあります。昔ながらの良き伝統が受け継がれ、手作りのおもちゃで遊び、手作りの給食やおやつ・パンを食べ、テレビのない保育室で過ごす。新しい幼児教育の導入より、そちらを優先して入所させた保護者は、【2】を強く望んでいるのでしょうか。
【1】に関しては、公立で出来ない理由が分からないとの声を伺っています。
【3】に関しては、財政効果でうまれた予算は子育てに使うとのことですが、今ある事業に充てる以外の案は示されていません。お金がかかるから手放すのかと、疑問の声が上がっています。
公立保育所には大きな役割があります。障がい児の入所者数は、公立6カ所で30人、民間17カ所で27人です。検討委員会の議事録では、「障がいの有無の判断がつかない児童には障がい児加算がないことから、民間では受け入れが困難。公立で受け入れている」と市が説明しています。障がい児の保育所入所は、民営化でますます高いハードルとなってしまいます。
今回の民営化に、「子どものために」との視点が入っているのでしょうか。「今の公立保育所では、子どもたちが育つ環境にふさわしくない。改善も不可能である」という理由での民営化なら、多くの保護者が納得するでしょう。
しかし、実際は「子どもたちが伸び伸びと楽しく保育所生活を送っている」「先生方が愛情を持って子どもの保育にあたってくださっている」「先生が大好きで保育所に通っている」との声が、保護者説明会で出ていました。環境の変化は通所児童の負担が大きく、民営化が通所児童の為でない限り、多くの保護者と同様、私も賛成することはできません。
公立保育所には公立のよさが、民間の保育所には民間のよさがあります。保護者は、それぞれの特色を理解し、納得して子どもを預けています。市民の選択の幅を残すことも、市としての役割ではないでしょうか。今の公立保育所を必要としている市民は、大勢います。
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