かながわ「産業Navi大賞」2013で入賞したレストラン栗の里山際本店オーナー 笹生(さそう)新(しん) さん 山際出身 39歳
自分試しにアジアを放浪
○…新しい技術の導入やサービスで、売上向上や販路の拡大などを達成した県内中小企業を表彰する「かながわ『産業Navi大賞』2013」で地域振興賞を受賞。決め手は来店者を出迎える200坪のローズガーデン。スタートは、多くの人が楽しさを感じられる場を作ることだった。「失敗もしたけど、ここまで来られた。みんなに難しいと言われることほど燃えて」と茶目っ気たっぷりに笑う。
○…「店のまわりが殺風景だから、バラでも植えようか」。そんなひらめきから始まった。早速苗を購入したが、すぐに枯れてしまった。ダメならプロに教わればいい―。横浜市のバラ生産者を見つけ出し、3年間通って栽培技術を学んだ。構想から6年、今年5月のシーズンには2万5千人が来場するまでになった。多くの人に花を見てもらうのは嬉しいが「娘が嫁に行くってこんな気持ちなのかな」と、淋しさものぞかせる。
○…200年近く続く米農家の長男として生まれた。モットーは「常に感動、日々前進」。高校卒業後、宅配業などを経て約10年前、家業を継ぐことを意識するように。決断前にバッグ1つでアジアを1カ月間放浪した。経営者は大きな決断を迫られることがある。そんなときに対応できるのか、自分を試すためだ。「言葉が通じないので、移動するのも想像以上に大変だった」と苦笑い。その経験があるからこそ、どんなときも「あのときよりは辛くない。他の方法を考えればよい」とポジティブに考えられるようになった。
○…自分が好きなことで生まれ育った厚木市に恩返しがしたいという想いから、地域貢献活動も積極的に取り組む。相模川ローズガーデンのアドバイザーを引き受けたのもその1つ。新しい魅力を創出し、笑顔あふれる環境にしたいという強い想いが自身を突き動かしている。「バラの力で県央地区を盛り上げるお手伝いをしたい」。相模原市在住、妻と子ども2人。
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4月19日