ワールドソーラーチャレンジ 参戦手記【3】 学生の夢 荒野を走る KAIT WSCプロジェクト 眞庭 寛典
「よくやったよ。だけど…ここまでだな」。そう、メンバーの一人が声をかけてくれた。悔しかった。その辺に転がっている石ころさえ、目障りに思えた。
3日目は朝から風が強かった。本来ならしっかりとカウル(外装)の固定を行うべきだったのだ。しかし、スタート時間を過ぎていることを理由に、それをしなかった。ソーラーカーを輸送している間、私は一歩間違えば大事故に繋がる重大な判断ミスを猛省した。
ただ藤澤徹監督(神奈川工科大)は冷静だった。夕方には中継地点のアリス・スプリングスに到着。監督は太陽電池を一つ一つ調べ、完全に壊れているのはごく一部で、修復可能であると示してくれたのだ。
私だってここで諦めたくはなかった。幸いにもシャシ(車体)は無傷で、キャノピ(操縦席のカバー)は大破したが、カウルの損傷は軽微だった。明るいうちから始まった大修復作業は深夜3時まで続いた。
レース4日目。私達のソーラーカーは赤土の大地を再び力強く走り始めた。未だ太陽電池は完璧ではないものの順調に走行。この日、今までで最長距離である450Kmを走り、大陸の3分の2の地点まで到達した。
レース5日目。続けてきた太陽電池の調整で、平地を走行している時は太陽電池の発電電力だけで走る事ができた。本当のソーラーカーになったのである。この日は強風やレース時間の関係上、走行距離は130Kmにとどまったが、翌6日目にはスタートから時速80Kmで走行。4日目を超える491Kmを走行し、最終計測地点70Km手前で一泊。最高時速は85Km/hにまで達した。
そして、10月12日、オーストラリア南部の都市アデレードに到着。先にゴールしたチームが拍手と歓声で迎えてくれる中、笑顔でゴールゲートをくぐった。2年間私達が追い求めた一週間が、ここに終わった。
私達は今回多くの方の協力により、幸運にも豪州大陸縦断に挑戦する事ができた。この場をお借りして、チーム一同御礼申し上げる次第である。(完)
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4月19日