2014年の年頭を飾る企画として、本紙では小林常良厚木市長に恒例の新春インタビューを行った。小林市長は「総力」を市政運営のテーマに掲げた昨年の振り返りや、新年度の予算編成、2期目の任期最後の年の意気込みなどを語った。(聞き手/本紙・厚木編集室副編集長 鳥海靖史 撮影/山本道子、小宮浩義)
――明けましておめでとうございます。まずは2013年を振り返って、厚木市にとってはどのような一年でしたか。
「厚木市を県央の雄都として全国に誇れるまちにし、素晴らしい厚木を次の世代に引き継いでいきたい―。2013年は市政運営のテーマに『総力』を掲げ、総合計画『あつぎ元気プラン』の将来都市像『元気あふれる創造性豊かな協働・交流都市 あつぎ』の実現に向け、市民の皆様と力を合わせて、さまざまな施策に取り組んでまいりました。
13年の大きな成果は、『10の条例』の制定です。自治基本条例に基づく市民自治を推進し、優先的に取り組むべき市政の課題を解決するため、『市民参加条例』『市民協働推進条例』『セーフコミュニティ推進条例』『子ども育成条例』など、私のマニフェストに掲げた『10の条例』の制定に取り組んでまいりました。おかげさまで市議会12月定例会におきまして、里地里山の自然を守り、その多面的機能の保全等を促進する『里地里山保全等促進条例』が可決成立し、市民の皆様の御協力と市議会議員の皆様の御理解により『10の条例』が整いました。
『10の条例』には、より安心安全な生活環境を実現し、社会生活を営む上で、人と人とのつながり、自助・共助の意識の醸成による成熟した社会を市民の皆様とともに築きたいとの願いを込めています」
経済活性化など推進元気なあつぎスローガン
――今年は市長にとって2期目の最後の年です。7年間の市政運営を振り返った感想と残り1年の意気込みをお聞かせ下さい。また、来年には改選が控えます。3期目について考えは。
「私は市長に就任して以来、『みんなでつくろう元気なあつぎ』をスローガンに、不撓不屈の精神で市政運営に邁進してまいりました。『現地対話主義』『市民協働』を信念に市政運営に取り組み、自治会長や子育て世代の皆様との対話はこれまでに延べ170回を超えました。
市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、医療費の無料化を中学生まで引き上げたほか、幼児・児童用自転車ヘルメット購入費助成など、いただいた意見の6割以上を政策に反映してまいりました。
また、市民協働により、自治基本条例の制定、世界保健機関(WHO)のセーフコミュニティ認証の取得・推進、ごみの減量化・資源化に取り組む『ミッション35』の推進、積極的な企業誘致、大規模災害に備えた地域防災計画の見直しなど、市民の皆様や関係団体とともに取り組んでまいりました。
これらのすべての政策は、市民の皆様の力なくして実現できるものではありません。政策実現に共に汗をかいていただきました自治会長様を始め、市民の皆様、そして、御理解をいただきました市議会議員の皆様に、心から感謝とお礼を申し上げます。
14年は、2期目4年間の総仕上げの年です。マニフェストに掲げている3大改革『経済活性化・企業誘致』『子育て・教育環境日本一』『徹底した行財政改革』に積極果敢に取り組むことで、『元気なあつぎ』が実現できるものと確信しております」
市制60周年に向けて
――14年度は市制施行60周年の節目の年度です。現段階での予算編成や市税収入の見通しは。60周年記念事業や新規事業の予定、重点政策はありますか。
「厚木市の市税収入は、12年度の決算額が平成に入ってから最低となるなど厳しい状況が続いております。景気は緩やかな回復傾向を示しておりますが、市税の増収には至っておらず、依然として厳しい予算編成が予想されます。限られた財源の中で市民の皆様の生活を守るための政策を確実に実行していくため、引き続き徹底的な行財政改革や事業の選択と集中、企業誘致などに取り組むとともに国庫補助金のさらなる獲得にも努めてまいります。
さて、厚木市は15年2月1日に『市制60周年』を迎えます。記念事業につきましても、現在、市民、各地域、団体などの皆様が参画する実行委員会において、事業の内容を検討しております。多くの先人のたゆまぬ努力のリレーが、今日の厚木市の礎となっています。過去の出来事を慈しみながら、夢と希望に溢れる厚木の実現に向け、輝かしいスタートラインとなる記念事業を実施できるよう、総力を挙げて取り組んでまいります」
2020年の厚木市は?
――2020年の東京五輪開催が決まりました。6年後の厚木市をイメージして、どのようなまちになっていたいと考えますか。
「私たち日本国民には、2020年東京オリンピック・パラリンピックという新しい目標ができました。そのとき、圏央道や新東名高速道路が全線開通し、厚木市には東西・南北に高規格幹線道路網が走ります。国内有数の立地条件を得て、経済的な求心力も高まると同時に市民の皆様の利便性も飛躍的に高まります。豊かな自然環境、産業、交通、人材など、厚木市が持っているポテンシャルを最大限に発揮できる環境が整います。新たな産業用地の創出も進み、商業施設や企業の立地も進んでいることと思います。新・市立病院は県央の中核医療機関として多くの人から信頼を集め、(仮称)健康こどもの森からは子どもたちの歓声が響いています。厚木市は、まさに『県央の雄都』として光輝き、市民の皆様の笑顔が絶えない、明るく元気なまちになっているものと確信しております。
もうひとつ、私には、皆様と一緒にかなえたい夢があります。厚木市は、優秀な選手を輩出しているスポーツが盛んなまちです。ぜひ地元出身のアスリートを東京五輪の舞台に送り出したいものです。これは、市民全員の夢といっても過言ではないでしょう」
市政に邁進
――厚木市民へ向けてメッセージをお願いします。
「14年度は、市長2期目の総仕上げの年であり、『あつぎ元気プラン』の第1期基本計画(6年)の最終年度です。あつぎ元気プランでは、『未来を担う人を育てる』『持続ある都市の発展を進める』『地域力を高める』の3つの重点戦略を掲げております。横断的・多面的な視点から各施策に取り組み、誰もが明るく元気で幸せに暮らすことのできるまちづくりを市民の皆様と共に進め、『元気なあつぎ』の実現に取り組んでまいります。
特に、私のマニフェストに掲げる3大改革の一つである『経済活性化・企業誘致』として、14年は、これまで市民の皆様とともに総力を挙げて推進してまいりました事業が、目に見える形で成果が表れる年となります。その一つとして、小田急小田原線本厚木駅を中心とした中心市街地の核となる施設として整備を進めてまいりました官民複合施設『アミューあつぎ』が今春にオープンします。また、新たな産業拠点の創出を目指して、厚木市森の里東土地区画整理組合設立準備委員会の皆様とともに推進してまいりました『(仮称)厚木市森の里東土地区画整理事業』につきましても、10年後の完成を目指し14年度中に工事に着手します。今後もこれらの事業を本市ならではの創意工夫をもって力強く推進することにより、本市のにぎわいや優位性を更に高めてまいります。
未来への道は、果てしなく続いています。次の世代にこの素晴らしい厚木市を引き継ぐことは、私たちに課せられた大切な使命であり、責任でもあります。そのためには、前進しなければなりません。14年も引き続き、一意専心の気持ちを持って市政に邁進する所存です。皆様の変わらぬ御指導と御協力を心よりお願いいたします」
――ありがとうございました。
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