愛甲公民館が主催している愛甲産「キヌア」栽培プロジェクトの指導にあたる 日高 憲三さん 東京農業大学講師 50歳
一日中キヌア
○…地域発のオリジナル料理に挑戦しようと愛甲公民館でスタートした栽培プロジェクトをけん引する。素材のキヌアは、アンデス地方が原産のアカザ科の一年草で栄養価が高い。国際連合食糧農業機関(FAO)が定めた国際キヌア年の昨年から注目が一気に高まってきた。10月4日、3回目のワークショップでは、キヌアを使ったパスタや蒸しパンなどの試食会を行った。調理は湘北短期大学の学生。「若い人に良さを分かってもらえることが嬉しい。まだ知られていないから面白い。探究の余地がある」とはっきりとした口調で話す。
○…東京農業大学「食と農」の博物館で昨年、日本で初めてキヌアの展示と栽培ワークショップを開くなど、キヌア研究会の事務局長として先頭に立つ。また、8月には南米アンデス諸国へ調査渡航。公民館と中継を結び現地レポートをした。「キヌアはアレルギーを起こさないので、将来的には学校給食や介護食などにも利用されるのでは」と可能性の高さを指摘する。
○…静岡県富士市の生まれ。中南米のことが好きで、大学ではスペイン語を専攻した。卒業後は1年間農業を学び、25歳の頃に青年海外協力隊でパラグアイに3年間行ったことが原点になっている。電気とガスはなく水は井戸。物がなくても豊かに暮らしている人に助け合いの精神を学んだ。目標は「キヌアを通した国際協力と国際交流」ときっぱり。
○…東京農業大学のスペイン語講師。学生からは「仏様」と言われるぐらい温厚な人柄だ。「異文化でもまれていると心が柔軟になる。怒るという感情がない。大変な状況に置かれてもどんと構えています」。妻はボリビア人。学生時代に旅行で知り合った。周囲からはとても50歳には見えないと声をかけられるそう。「趣味はキヌア。一日中キヌアに関わっている」と元気はつらつ前向き。この日発表したプレゼン資料も徹夜で制作。キヌアへの思いは果てしない。八王子市在住。
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