コマやおはじき、竹馬などの子どもたちの遊び、囲炉裏を囲んだ食事に、正月に備えて臼でついた餅。見る機会が少なくなった生活風景を今に伝えようと、60枚を超える紙芝居に描き溜めている人がいる。七沢に住む櫻井進さん(69)だ。
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▽紙芝居の題材は、1960年代以前の農村での暮らし。1枚ごとに「ふゆじたく」や「おやつ」といったタイトルが付けられ、昔は当たり前だった人々の一場面を切り取った。絵の裏に一つひとつ物語が添えられている。「カラーより当時のイメージに近づけたい」と画材は筆ペンで、メーカーの違いで濃淡を塗り分ける。紙芝居は、地域の親子に少しずつ披露している。
▽描き始めたのは、6年ほど前。七沢に移り住んで知り合った地域のお年寄りと昔の話をした際、「絵に描いてくれないかな」と頼まれた。「お酒を飲みながらで、きっかけは小さなことでした。(物語の)半分は聞いたもの、半分は自分の経験」。制作の背景には、自身も江戸時代などの昔の暮らしに興味があったこと、農家だった母の実家での手伝いが楽しかったことがある。
▽普段は陶芸家として活動する。妻のもゆさん(69)とともに、白磁染付と呼ばれる焼き物を主に制作。もゆさんが絵でデザインし、櫻井さんが焼き物として形にする役割分担だ。「いつも好きなことばかりで男の子のまま」と、もゆさんの憎まれ口も笑いながら。5年ほど前から自然農法で野菜作りにも精を出す。
▽生まれは川崎市で、釣りや野山で遊ぶ少年時代を過ごした。高校卒業後、デザイン学校在学時に民芸品に魅了され、焼き物の世界に。30代半ばで作家となり、薪釜を持ちたくて厚木に移り住んだのが約20年前。「今を否定するわけじゃないけど、昔は人付き合いが濃密だった。『こうだったよ』と少しでも伝えられたら」と思いを絵に託す。紙芝居は、あと6枚ほど描いて完結させたいという。
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