肉牛の肥育経営に長年携わり緑白綬有功章を受章した 青木 義賢さん 中荻野在住 74歳
「良い加減」で栄章
○…農業高校卒業後に始めた酪農を、肉牛肥育に転換して40年余。県内や関東の共進会―いわゆる品評会では大臣賞や名誉賞に相次いで輝き、県内ブランド「横濱ビーフ」立ち上げにも携わった、市内唯一の肉牛農家。そんな功績が認められ、このほど(公社)大日本農会から緑白綬有功章を受章した。小林市長への報告の場では「行政の指導の下やってきたお蔭でもらえた賞」と感謝を述べたが、受章式では大臣相手に「エサ代や原油が上がる中、売上げは比例しない。経営努力だけで簡単に改善できる状況ではない」と、畜産家を取り巻く厳しい環境を訴えた。
○…父の代では養蚕農家。「もともとはやりたくなかった」酪農業は、年間通じてお金が動くとの理由で始めた。ノウハウはなく、仲間に知恵を借りながら勉強の日々。生産調整で牛乳価格が下落したのをきっかけに、肉牛肥育に転換。自宅近くの田んぼに牛舎を作り、最盛期は200頭ほどを肥育していた。1993年からは3年連続で県肉牛共進会名誉賞。関東の枝肉を対象とした共進会でも最優秀賞に3度選ばれた。「生き物相手だから計算してもそのようにはならない。『良い加減』が大事」と語る育て方は、牛の外見と中身、両方で高評価を得ている。
○…先祖代々の荻野暮らし。若い頃は飼っていた馬で近所を散歩していたというからオドロキ。3人の娘に恵まれた。4年前に体を悪くしてからは仕事を抑え、現在牛舎にいるのは1頭のみ。自宅でくつろぐ姿は頑固でやさしい御仁。「損をすることが一番勉強になる」がモットー。
○…経営者としてのビジョンは「今の農家は作って、売るまでが仕事。企業センスを持たないと。井の中の蛙じゃダメ」。「横濱ビーフ」ブランドもそのひとつ。熱を加えた発酵飼料を与えることで、サシが程よく入った上質の肉となる。おススメの食べ方は「塩コショウ」だが、夫人作の牛丼も脂の甘みが美味だった。
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