11日に市内で初の説明会。学院趣旨を話す山下さん。
▽来年４月、市内旭町に「ワイズ・インフィニティ高等学院／明蓬館ＳＮＥＣ本厚木」を開設する。同校は「障害があっても高校卒業できるキャンパス」として全国にその輪が広がっている通信制高校・明蓬館高等学校のサポート校の位置づけ。10月11日にアミューあつぎで開催された学校説明会には、市内外から９人の保護者が訪れ、熱心に耳を傾けていた。
▽厚木市出身、緑ヶ丘小、南毛利中から東名中、厚木東高卒業。アメリカの大学へ留学後、フリーの字幕翻訳や放送翻訳活動を経て、２０００年に映像翻訳会社ワイズ・インフィニティを都内で立ち上げた。登録翻訳者７００人以上、50カ国以上の言語に対応する。子どものころから福祉の活動に興味を持っていたという山下さん。同社を経営するかたわら、セネガルやカンボジアの小学校への寄付も続けてきた。
▽今年春には障がいをもつ子どもたちのための放課後デイサービスをスタートさせた。障がい者の就労支援をめざすなかで、子どものころからの療育が大切だと痛感したからだという。そんななか出会ったのが、明蓬館高等学校の校長、日野公三さん。その方針や学校の在り方に共感し、地元厚木でも開設したいと即行動を起こした。「放課後デイサービスを運営するなかで、子どもたちの卒業後の進路も作っておきたいと思った」から。
▽「（障がいなどがあっても）進路にはこんな選択肢があるんだなと知ってほしい」と山下さん。女性起業家として派手さがなく、その志に忠実に地道に、でもこれだと感じたことには一直線、そんな生き方に圧倒される。「目の前にめぐってきたものに行動しているだけ」と淡々と話すが、行政や世間に意見する前に自らが行動を起こすその姿勢に学びたい。ＳＮＥＣ本厚木の学校説明会は10月24日（土）にも予定されている。
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