厚木・愛川・清川 社会
公開日:2018.07.13
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ギアはニュートラル、向かうは「最良の人生」
菓子を通じてボランティア活動に協力する 岸田嘉夫さん(64)
▽湘南厚木病院の外来棟ロビーにずらりと並ぶ菓子。エプロン姿で接客するのは旭町の「スイス菓子ポニイ」店主・岸田嘉夫さんだ。ポップには、売上げの一部が寄付に充てられる旨が記されている。ロビーの一角で、同病院医事課の藤原大(たけし)さん(39)が見守っていた。NPO法人チーム絆の一員として、紛争地域の子どもたちや国内の被災地を訪れ自分の目で見て、支援活動を行う藤原さんの依頼を受け、岸田さんは昨年から菓子作りで協力を始めた。
▽2017年7月の九州北部豪雨後には規格外の梨や柿を使ったタルトを、現在はフェアトレード(開発途上国の原料や製品を適正価格で購入する)商品のモリンガを使いパンや菓子を創作。店頭販売のほか子ども食堂へも提供する。協力を決めたのは、それまでも訪れていたロビー販売で「縁の下の力持ちで働く藤原さんに好感をもったから。あとはおせっかいだね」
▽立て板に水のような口調は、生まれを聞けば納得。日本橋茅場町育ちの江戸っ子は、通学途中に見かけるその姿に憧れて、パン職人を目指すようになった。大学卒業後に夢を叶え、時には片道15Kmを走って出勤し、パンを焼いた。転機は26歳の時。神戸の有名パン店「フロインドリーブ」の求人に店を訪れると、あっさり採用が決まった。パンやケーキ、チョコレートなどさまざまな部門で腕を磨き、休みなしで働いた。4年遅れて入社してきたのが、妻の尚子さん。「この人なら自分の両親を大切にしてくれる」と思える優しい人柄に魅かれた。4人の子宝に恵まれ、独立を考えていた矢先、阪神淡路大震災が起きた―。
▽バレンタインが近い冬の朝、チョコレートが流れ出した床も、仕込んだパン生地もそのままに避難。店は休業を余儀なくされた。家族を養うため、知人を頼りに見つけたのが現在の店舗。街を知ろうと、右も左も分からない厚木をバイクで駆け回った。子どもたちの進学と自宅の新築に売上げ金の盗難が続き、「アイアンクローで頭をつぶされるような」不安の朝も、笑みを忘れぬ強い精神力で切り抜けてきた。最良の人生をいきるため、いつもニュートラルでいたい。年に1度の愛娘との旅行を心の栄養に、「80歳まで店はがんばるよ」
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