神奈川県は8月28日、県内41企業を「神奈川がんばる企業」として認定。そのうち10社が選定される「神奈川がんばる企業エース」に、金田の製造業、株式会社静科(しずか)(高橋俊二代表取締役)が、市内から唯一選ばれた。
「神奈川がんばる企業」は、独自の経営努力により「年率3%以上の付加価値額の増加」などを実現した中小企業・小規模企業を認定するもので、昨年度から実施されている。認定企業の中から地域への貢献度などが特に優れた企業が「エース」に選定される。
今回エースに認定された(株)静科は元来、大手メーカーの下請けとして新幹線やヘリコプターの部材を製造する町工場だった。先代代表取締役・高橋邦雄氏が「人のためになり、後世に残る独自技術を創ろう」と2006年に法人化。断熱材の開発を進めるうちに、防音材として優れるものが完成。改良を加え、今回の選出理由にもなった、幅広い防音効果と多機能性を実現した「一人静」を開発した。
「人のために」先代の思い継ぎ
東日本大震災後、被災地のニュースを目にした同社は「壁の薄い仮設住宅で使ってもらえれば」と防音パネル「一人静」を大量に寄付した。その直前、先代が闘病の末に他界。現代表が引き継いだが経営状態は「赤字ぎりぎり」。日本全国を営業に回り、がむしゃらに働いたと当時を振り返る。
被災地に送った「一人静」が民放テレビ局の目に留まり全国放映されると、全国から問合せの電話が殺到。わずか7人の社員は対応に追われ、一躍全国区へと羽ばたいた。
「一人静」は元来の防音材よりも、薄くて軽く加工性に優れるため、邪魔にならず短い工期で済むという。開発から10年以上が過ぎた今も、社会ニーズに合わせてブラッシュアップを続け、高速道路の騒音吸収装置や国内外の工場、幼稚園、個人宅など幅広く使われている。今までテレビなどマスコミにも度々取り上げられ、第7回ものづくり日本大賞「経済産業省関連」優秀賞など、数々の栄誉に輝いている。
高橋代表取締役は「これからも人のためになる仕事をしていきたい。父が命を懸けて創ったモノを知ってもらえたら」と話した。
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