恩名在住の和田厚さん(70)が3月14日(木)から19日(火)まで、アミューあつぎ5階のあつぎアートギャラリーで写真展「レタス王国 白と緑の川上村から」を開催する(問046・221・5788)。午前10時から午後5時半(最終日は4時)。厚木生まれ厚木育ちの和田さん。これまで、愛川や海老名で個展を開いたことはあったが、地元での開催は初めてとなる。
和田さんがカメラと出合ったのは、小学5年生の時。祖父にフィルムカメラを買ってもらったのがきっかけ。「写真っておもしろいな」。当時の何気ない思いは、50代になってから本格化。休暇の折に長野へハイキングに出かけ山野草を撮影するようになり、のめり込んでいった。今回の個展で披露する川上村の景色には、様々な風景を撮るようになった10年ほど前に、偶然出合った。全国でも指折りのレタスの生産量を誇る川上村。苗を植える季節になると畑一面に白いマルチビニールが張られ、村全体が白い世界になったかと思えば、苗の成長とともに緑の世界に移ろうその風景に心打たれ、以来約7年間にわたって撮り続けた。
「車を走らせながら、ふと良い風景だなと思って、迷いながらも戻って撮った写真は、後で見ても良いと思う。『まぁいっか』と撮らないと一生後悔する」。いつも「感じたままに、詩情豊かに」写真を撮るという和田さん。風景写真は「人工物が入らないようにしたほうが良い」と言われるが、和田さんは「人工物や人物が入っていたほうが飽きないと思う。電柱も風景になる」と語る。だからこそ、川上村の写真にも農作業中の村民が入っているものが多い。撮影の際には、必ず声を掛けるようにするが、はじめは「ドキドキした」と笑う。今では、レタス栽培の苦労話を聞き出せるようにまでなったが、和田さんには秘かに撮りたいと願うもう一つの風景がある。それは、農作業の合間の休憩時間にあぜ道で家族が団らんする様子だ。
これからも川上村をはじめ、心に残る風景を探し、撮り続ける。
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