年に2回行われる冬季競技の世界最高峰プロ大会『Xゲームズ』。スノーボード選手にとって五輪やワールドカップと並ぶ大会で、昨年5月のノルウェー・オスロ大会と、今年1月のアメリカ・コロラド州アスペン大会を制したのは、飯山在住の大塚健(たける)選手(18)だ。
前人未踏の技に挑戦
大塚選手が世界を制したスノーボード男子ビッグエアは、30mほどのジャンプ台から飛び出し、空中での技の難易度・完成度を競う競技。オスロで初めて世界を制してからも奢ることなく、「本場アメリカ大会を獲りたい」と気合を入れていた。
アスペン大会では、世界で誰も成功させていない技に挑戦。空中で横に5回転するフロントサイドトリプルコーク1800を見事成功させ、逆サイドのジャンプでも横4回転半しつつ着地直前まで板を掴むジャンプで、高得点を叩き出しての優勝だった。
世界中の友人と
大会後の2月、スノーボードを通じてできた、五輪メダリストなど世界中の友人らと山を滑り、ライディングの映像作成にあたっていたが、膝靱帯を痛めてしまった。焦る気持ちの中しっかりと回復。現在、アスペンのキャンプで世界中の猛者とともに練習に励んでいる。「ジャンプする怖さはない。自信がなければ成功しない。ジャンプが大きいほど滞空時間が長くて余裕ができる」と豪胆さをうかがわせる。
とはいえまだ高校3年生。学校にあまり行けないが、テニスで世界をまわったことのある“理解ある担任”や、友人らが「写真を撮って送ってくれる」とにこり。本厚木駅前などに大きく貼られたポスターに触れると、「学校のみんなにも、Xゲームズがどんなものか浸透してきた気がする」と恥ずかしそうにまた笑った。
ただひたむきにコツコツと
強さの秘密は、基礎を大事にすること。世界を獲った今も、滑り方やジャンプする前段階などの基礎練習を、ひたむきにコツコツと続けている。もう一つ、「素直に人の話を聞くことを大事にしている。第三者から見えているものは違うはずだから」と謙虚な姿勢。彼の真摯な姿勢が、世界へと押し上げた。
温故知新 その先へ
8月のXゲームズが復帰戦。「連覇は難しい。五輪も視野にあるが特別感が出すぎてはだめ。のめり込みすぎずにいつもの感じで挑みたい」。冷静だが瞳の奥に静かな闘志を燃やす。「世界大会で活躍できるのは20代半ばまで。先人たちが創ってきた時代を、今度は自分たちが創っていく。大会に出るライダーとしてだけでなく、先達の創ったものを大事にしながら、映像も多く残し、スノーボードをもっと知ってもらえたら」。見据えているのは、五輪の栄光より、もっと先かもしれない─。
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