吹いたときの息でリードを振動させて音を出すハーモニカ。持ち運びが便利なため、初心者にも人気の管楽器だ。クロマチック、コード、復音、バスの4つのハーモニカで編成されたママアンサンブルは、毎年1回、愛川町子育て支援センターでコンサートを開催している。代表の原香子さん(愛川町)は、クロマチックハーモニカ担当。コンサートでは、子ども向けの童謡はもちろん、ママ向けに有名なクラシックなど5、6曲を披露する。「子どもたちが大きな声で歌ってくれたり、盛り上がってくれると嬉しいですね」と目を細める。「育児をしていると生の演奏を聴く機会がなかなかないと思います。子どもが泣いても、立ち歩いても大丈夫なので、気軽にお越しください」と参加を呼び掛ける。
厚木市出身。姉の影響で小1からハーモニカを始めた。故・岩崎重昭氏に師事し、1985年に同じ教室に通っていたメンバーで厚木チェリーズを結成。ワールドハーモニカチャンピオンシップス(アンサンブル部門)2位など輝かしい経歴を持つ。厚木チェリーズでは、保育園や老人ホームなどでの演奏活動も。30年以上の付き合いとなるメンバーは、「演奏中に目配せで指示したり、家族みたい」と息ぴったり。「アンサンブルが好き。音の重なりがきれいで、呼吸が合ったとき気持ちいい」と魅力を語る。
結婚を機に愛川町へ。現在は、小6、小1、2歳の3人の男の子を子育て中。「1人の時間がなくて。三男のお昼寝中に練習しています」。ハーモニカを吹いている時間が、自分の時間であり、リラックスタイムにもなっている。「子どもたちには強制はしないけど、ハーモニカをやってくれたら」とにっこり。取材中、代わる代わるやってくる3兄弟。「一人ひとりと向き合う時間が少ないかも」と吐露するも、頭をなでてあげたり、話に相槌をうったり。サバサバした口調の中にも、子どもたちへの愛情を感じた。
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