愛川町の町立中学校3校で9月4日から、温かい中学校給食の提供が始まった。近隣の小学校の給食室で中学校分の給食もまとめて調理して配送する「親子方式」を採用することでコストを抑えた。
温かい給食の初日となった4日、愛川中学校では半原小学校で調理された給食がトラックで届けられ、給食当番の生徒が各教室に運んだ。保温性のある食缶を開けると、スープから白い湯気が立った。
この日のメニューは、ホットドック、牛乳、やさいスープ、じゃがいものソテー、デザート。「いただきます」の声で始まった給食では、生徒たちができたての温かい食事を楽しんだ。生徒は「温かいと、味が全然違う。美味しい」「小学校の時に好きだったメニューをまた食べたい」と笑顔で話した。
町の中学校の生徒数は8月1日現在で1034人。必要なカロリーにあわせて、一人ひとりに小学校児童の1・3倍の量が提供される。町によると、温かい中学校給食の費用は年間約1億1000万円。各家庭が負担する給食費・牛乳代は月額5200円。
生徒・保護者から多くの要望
町では、家庭で弁当を作る負担を軽減するため、2009年に民間施設で調理された給食を届ける「デリバリー方式」の中学校給食を導入した。しかし、衛生面で冷却して配送することから、生徒や保護者からは温かい給食を望む声が多く、利用率は30%台と低迷。多くの生徒が引き続き家庭から弁当を持参していた。
そこで町では、2017年度に庁内研究会を設置。「中学校での自校方式」や「給食センター方式」なども含めて検討した結果、効率性やコスト面で優れる「親子方式」を採用した。
親子方式では、調理した給食を外部に配送するため、小学校の給食室が建築基準法上の「工場」扱いとなり、市街化調整区域や住居専用地域にある小学校に工場は建てられないという課題があった。町は神奈川県と協議を重ね、特例許可を受けて事業を進めた。
親子方式での中学校給食は市町村の一部で行われているが、全中学校への導入は県内初。少子化で児童・生徒数が減少するなか、小学校の給食室を活用する親子方式は注目されており、県内自治体から視察依頼もあるという。小野澤豊町長は「皆が同じ場所で、同じ時間に、同じものを食べることは、子どもたちに一体感と安心感を与えてくれる。これからも、安心・安全で美味しい給食を提供できるよう取り組んでいく」と話す。
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