県立学校などの教育環境整備を進めるため神奈川県では、県立学校等が自ら策定した事業プランに対して寄附を募る『神奈川県まなびや基金・事業提案型』を開始。この取り組みに県立厚木高校がエントリーし、野球部のピッチング・バッティング測定機材一式を購入する費用160万円の寄附を募っている。
教育環境の整備事業には多額の財源が必要となることから、県では2009年度に「県まなびや基金」を創設し、寄附金や運用益金を同整備事業の財源に活用している。そんな中、県立学校等が自らその特色や地域性などを活かして、整備内容、募集金額、成果目標を明示した事業プランを策定し、そのプランに対しての寄附を募る「事業提案型」を新たにスタートした。寄附を活用して整備等を行った結果、事業プランに掲げた「目標」を達成できたかどうかの成果も公表するという、いわばクラウドファンディングに近い形だ。また同基金への寄附金はふるさと納税の対象になる。
測定機材一式導入で県ベスト8目指す
厚木高校野球部の事業プラン内容は「ピッチング・バッティングの測定機材一式」で、募集金額は160万円。目標は「2023年までに県選手権大会ベスト8」と「パフォーマンスの正確な測定と数値化、記録の蓄積を可能にすることにより、部活動の中で仮説・検証型の取組を行い、生徒自ら課題発見・課題解決していく能力を育成する」とする。
同校は、学力向上進学重点校としての進学実績とともに、野球部はここ10年で選手権大会ベスト16に3度進出するなど文武両道を実践。文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定され、授業だけでなく野球部の活動においても仮説・検証型の取組を行っている。これまでにスライディングのタイム向上をテーマに、光電管式のスプリントタイム計測器を用いた研究活動に取り組み、検証結果等は様々な場で発表し他校と情報共有などもしている。
選手の変化や成長客観的に評価
野球部顧問の天野雄司教諭は、「ピッチングやバッティングのデータを分析できるトラッキ ングシステムを導入することで、選手のパフォーマンスの詳細な数値化が可能になる。課題を洗い出し、選手自身が日常的な取組による変化や成長を客観的に評価できるようにすることで、県ベスト8以上に進出できる可能性を大きく高める」と解説。さらに、「ボールの回転軸や回転数などの正確な数値の計測はデータサイエンス分野の研究に大いに役立てられ、大学などの研究機関でも導入されている。今まで以上の探究的活動を活発にし、生徒の課題発見・解決能力の向上に繋げていく」と熱弁する。
寄附の申込みは、県のホームページ内の「神奈川県まなびや基金への寄附のお願い」のページなどからできる。募集期間は今年8月31日まで(期間の延長も可能)。天野教諭は「スライディング研究や先日行ったピッチング・バッティングのトラッキングシステムのデモ使用の際も、生徒たちはとても熱心に取り組み、さらに野球を楽しめるようになったという声も多い。できれば今年の3年生に使わせてあげたい」と話した。
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