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未来に向けたまちづくり 意見広告 現在の事業を分析・評価し、新たな経済発展基盤への公共投資(土地区画整理事業・再開発事業)が必要 厚木市議会議員(会派あつぎの会) 井上敏夫

公開:2022年1月1日

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 私は、平成23年7月の初当選以来、今日まで「このままで大丈夫か」との思いで議会活動に取り組んでいます。

議会がなすべき事

 税金の使い方をチェックし、市民、納税者に説明する義務があります。疑義があれば調査するのが議会の立場であると考えています。

 タウンニュース2021年3月26日号(https://www.townnews.co.jp/0404/2021/03/26/56

参照)では、森の里東土地区画整理事業の全体をとらえ意見広告いたしました。

 市民の皆様に、より判り易く説明する方策を思考しています。

土地区画整理事業の目的

 現在、市内では森の里東地区及び酒井地区で組合施行による土地区画整理事業が進められています。この二事業はともに企業の業務用地を確保することを目的としており、一団の保留地取得を前提とした業務代行方式が採用されています。

業務代行は有効な手法

 平成29年12月定例会議一般質問で市長は、業務代行について工事の施行や組合の運営など事業に関する業務を代行する手法で、組合の安定した事業運営が図られるなど、「有効な手法であると認識している」と答弁しています。

事例を踏まえ比較

 そこで、比較対象となる二事業が市内で施行されていることに鑑み、市内のみならず東京都調布市及び兵庫県姫路市における土地区画整理事業の関係資料を調べました。

土地利用の状況(計画策定時)

 本市は市街化調整区域内の土地を計画し、土地区画整理事業を条件に市街化区域に編入する開発型。他市では、市街化区域内の土地利用の向上を目的に土地区画整理事業が進められています。したがって、計画策定時の地価は厚木市の事例より高い傾向が見られます。資料を基に、事業の背景となった当時の土地利用の状況をまとめました。

事例に取り上げた各地区の事業目的

 市街化区域の課題をとらえ、土地区画整理事業によって改善を図る意図がはっきりしています。

 国領北浦/道路・公園等を整備、周辺市街地との調和、生産緑地再配置、農地の営農環境の改善、良好な住宅地の形成。業務代行方式を採用。

 英賀保駅周辺/住宅地として快適な住環境の創造。近隣公園(約1万1000平方メートル)等を計画、災害時の避難場所。

 阿保/姫路市の中心市街地に位置、基盤整備の遅れにより土地利用が十分に図れず、交通の障害となっている。土地利用の純化により個性と魅力のある住環境の整備改善を図る。

 姫路駅周辺/JR山陽本線等の高架用地確保、姫路駅を中心とする南北市街地の一体化を図る交通体系の確保、駅前広場及び都市計画道路等の整備。新都市拠点としてふさわしい街区の形成。

 布田駅南/駅前交通広場周辺での商業利用及び都市型住宅の立地誘導。沿道商業利用。後背地での戸建て住宅やアパートなど、共同住宅の立地誘導を図る。公園は、地区面積の3%を確保する。

 姫路市では、本市の市街化区域の91%に当たる2886haの市街地整備に取り組んでいます。

 他市では、いずれも市民主役の土地区画整理事業が行われています。

土地区画整理事業の効果

 土地区画整理事業に依って成し得た社会基盤は、そのままの形で後世に受け継がれ、地域の繁栄に応えています。

本市の土地区画整理事業

 厚木市が施行者となり、昭和30年に事業化された本厚木駅前土地区画整理事業が始まりです。その後、昭和40年の本厚木駅南部土地区画整理事業と昭和48年から工事が始まった小田急線連続立体交差化事業により、今日の本厚木駅北口・南口広場を含む約50 haが整備されました。

 昭和40年代初頭の厚木市総合計画では、昭和用水の沿川に計画された厚木西南部土地区画整理事業は、「周辺の自治体の状況から必要性を感じるも、土地区画整理事業によるまちづくり手法は難しい」との理由で放棄し、今日に至っています。

本市の区画整理は他力

 一方、厚木の資源に関心を持つ事業主体(県・県住宅公社・組合・日本住宅公団・住宅都市整備公団)が施行者となり土地区画整理事業を進め、市街化区域の概ね4分の1が整備され、本市発展の礎が築かれてきました。

 しかし、市街化区域の4分の3は整備水準が低く、防災性をはじめ様々な課題を抱えています。

 土地区画整理事業は、課題を克服し、安心・安全・豊かで活力ある社会を形成し、未来に向けたまちづくりの中心的な役割を担う事業であります。

 中心市街地は沖積地で、災害に弱い事は関東大震災で経験していますが、鉄道駅があり利便性が高く人口が、集中しています。

 災害を未然に防ぐ事、災害を最小限に食い止めることは更に大事です。

もう一つの鉄道駅である愛甲石田駅周辺は、交通の結節点として克服しなければならない課題が山積しています。

 市内にはインターチェンジやスマートI・Cなど、主要な交通結節点が多く存在しています。

 そのほか一級河川は6河川。その流域に発展・拡大した集落等、特色ある資源が沢山ある一方、河川を渡る橋がボトルネックとなり、交通渋滞の原因ともなっています。

 市民の生命財産を守るため、道路・公園整備はもとより、利用価値の高い宅地を整備することは行政の責務です。

 厚木市の土地区画整理事業は業務代行者に特別な配慮をしていないか

 改めて事業計画を策定した元まちづくり専門監や厚木市の技術的支援に疑義を抱いています。

 現在、施行されている土地区画整理事業には、準備段階から多くの税金が投入されています。

森の里東土地区画整理事業の特徴

【1】都市計画道路厚木環状3号線を区域から除外し、二分され飛び地となった区域は一つの事業区域として決定。

【2】緑地(面積36万9037・73平方メートル)を区域に含め都市計画決定し、公共施設管理者負担金(用地費相当額18億6千万円)の対象としている。これにより自主財源である保留地処分金の単価を抑えることができる。地権者は買収ではないことから換地の対象となる。

【3】公園は設置しない。森の里「若宮公園」の誘致距離内にある。と答弁。負担軽減が見られます。

事務費の比較

 比較対象とした地区の事業概要と事務費を一覧表にしました。表では、市内の二事業の事務費が異常に高く、森の里東土地区画整理事業は、各年度平均額が1億1400万円と突出しています。

事務費高騰の要因

・常駐職員(平成28年度以降5名)を採用し、経常経費として人件費(給与・諸手当・共済費)及び職員の退職金の積立金を計上。

・事務局運営業務委託を毎年度計上。

・事務所維持管理費等毎年度不定額を計上。

適地を有利な条件で確保

 保留地取得を目的とした業務代行者(以下、大和ハウス工業(株))は企業誘致のための大規模宅地を求めています。

 したがって、保留地を集約し、単独では利用価値のない組合員所有地を保留地の街区に複数換地することで保留地を取得した業務代行者が一体的に土地利用できる配慮が成されています。

 組合設立当初76人の土地所有者が令和2年7月現在26人となり、今日さらに減少していると考えています。

 一方、換地を買収した大和ハウス工業(株)は、4万9000平方メートルを取得している組合員であることが想定できます。その根拠として、同社が用地分譲紹介を法人向けに行っているDプロジェクト厚木森の里から読み解くことができます(2021年3月26日号に掲載)。

事業の余剰金

 組合施行では、事業の余剰金がある場合、組合員に還元されます。

本厚木駅南口第一種市街地再開発事業

 本厚木駅南口広場は道路の一部として、すでに3479平方メートルの駅前広場がありました。

 再開発事業の目的は魅力ある駅周辺の顔づくり。交通結節点としての機能強化を図る駅前広場の拡充整備としていますが、市では、駅前広場としての具体的な規模を示したことはありません。

 再開発事業では、区域に取り込む必要がない駅前広場(市道)を取り込んでいますが、権利変換の対象ではありません。

 事業計画書では、道路の起点部に駅前広場4270平方メートルを整備する。備考欄には都市計画道路拡充整備。とあります。既存の広場を取り込んで、どのようなメリットがあったのでしょうか。

 本事業では、再開発ビル(タワーマンション)の高さ制限を緩和するため、建築基準法第42条第一項第4号を適用し、建築敷地北側に事業後道路となる773平方メートルの用地が確保されています。

 これにより四方向道路における道路斜線緩和の適用により法による高さ制限を緩和することが可能となりました。地上22階建て高さ85mは、これで実現しました。

再開発事業としての面積基準

 第一種市街地再開発事業では面積基準はありませんが、補助事業としての採択基準は、区域面積0・5ha以上となっています。

 再開発事業による権利変換の対象となる敷地面積は図示のとおり3140平方メートルで補助事業の採択基準を満たすには至っていません。

 そこで既存の駅前広場(3479平方メートル)を加えることで、区域面積は補助事業の採択基準を満たすことになります。

 なお、施行区域の面積約0・8haとなっているのは、敷地に接する市道が区域に含まれていることによるものです。

 当該事業計画の資金計画では収入内訳は次のとおりです。

資金計画収入の44・4%が税金

 事業の収入計画では、補助金26億5840万円。公共施設管理者負担金35億6670万円、参加組合員負担金、保留床処分金、その他で構成され、総額140億7500万円となっています。

公共施設管理者負担金

 森の里東では緑地の取得のために、本厚木駅南口第一種市街地再開発事業では、高さを緩和する目的で建築基準法第42条第一項第4号を適用し、建築敷地北側に事業後道路となる773平方メートルの用地を駅前広場とし、デッキ建設工事等を含め組合が施行するとの理由で、公共施設管理者負担金制度を活用しています。

 問題は、両事業とも用地買収には当たらず、権利を取得していますので、代価ではないということです。いわゆる事業費補填の意味合いが強く事業者への特別な配慮ではないかと考えています。

 なお、公共施設管理者負担金に使途制限はありません。

課題山積

開発続く調整区域

 圏央厚木IC並びに圏央厚木スマートICの開設以降、市街化調整区域の農地転用が急速に広がっています。

 (下依知地内)開発地 

 大型車やトレーラーにとって唯一の出入口。交差点には信号機がありません。

余儀なくされた歩車道走行

 国道246号金田陸橋から海老名方面に350mほど。国道により市道が遮断された利用者は、う回路として狭あいな歩車道走行を余儀なくされています。

 ここを100mほど進むと国道を横断する歩行者用?のトンネルがあります。

トンネル内改修工事始まりました安心・安全、照明付

平成29年6月5日

定例会議一般質問

 本線と側道が分岐合流する路面下に長さ30m、幅2・0m、高さ概ね1・4mの横断トンネルがあります。

 手すりもなく体をかがめながら通行しており、パネル写真を用いて現状を説明し改善を要望いたしました。

不便しているから要望

 万事がこれでは根本的な解決にはなりません。

 トンネル内の高さが現状より0・3mほど緩和・改善されます。

 このような状況をつくらないために、自治体は具体な計画を描いておく必要があります。

堤外地の駐車場

令和3年12月7日

定例会議一般質問

 河川法の平成9年改正内容を踏まえて質問しました。

まちを豊かにする都市計画税

 市街化区域から徴収している都市計画税は目的税で、使途は土地区画整理事業や都市計画事業です。納税者の監視が必要です。

転入市民はより多くの比較対象を持ち合わせる

 本文中で、他市の実例を取り上げましたが、市民の多くは私たちが知らない多くの経験を持ち合わせています。保守的すぎず、第二の故郷のために、将来を託す子供たちのために、まちづくりに声を上げていただきたいです。

厚木市議会議員(会派 あつぎの会) 井上敏夫

厚木市金田727

TEL:046-222-2151

http://www.atsugi-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1818

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