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厚木・愛川・清川 スポーツ

公開日:2025.06.22

大田拓真さん
悲願の世界タイトル獲得
ムエタイフェザー級王座

  • リング上でチャンピオンベルトを巻く大田さん(同ジム提供)

 後楽園ホールで6月8日に行われたWBCムエタイフェザー級タイトルマッチで、厚木市の新興ムエタイジム所属の大田拓真さん(26)がKO勝利で初の王座を獲得した。

 大田さんは昨年2月にNJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)のフェザー級王座に就き、今年2月には初防衛に成功。WBCムエタイ世界フェザー級でも9位の実力を引っ提げて、念願の世界タイトルに臨んだ。

 対戦相手のアントニオ・オルデン選手(スペイン)は、同級王座をはじめ7本のベルトを保持する強敵。「映像で見るよりも動きがうまくてやりづらさを感じた」というが、大田さんの打撃技を防ごうとする相手に対して蹴りで間合いを取りつつ、終始優位に試合を運んだ。

 歓喜の瞬間は3ラウンドに訪れた。互いに蹴り合いとなる中、ロープ際に下がった相手に右の三日月蹴りを突き刺し、2ラウンドを残して王者をリングに沈めた。大田さんは「三日月蹴りは自分の中でもフィニッシュに使う得意技の一つ。勝ててうれしい」と、リング上でベルトを巻いた瞬間を振り返る。

女子選手に完敗

 小学生の頃にテレビで見た格闘技のK―1に触発され、小学5年生で厚木市内の「新興ムエタイジム」に入会。数カ月後に経験した初試合で女子選手と対戦したが、「何もできずにいつの間にか試合が終わっていた感じ」と笑う。しかしその一戦が「本気で強くなりたい」という闘志に火をつけた。

 国内大会でさまざまなタイトルを手にするなどムエタイ界の新星として注目を集める一方、同ジムではトレーナーとして後進の指導にも力を入れる。「当たり前のことをしっかりとやるのは意外と難しい。ジムでは日々の練習に集中して取り組むことの大切さを伝えたい」。格闘技を始めたころの自身と同世代の小学生ファイターも多く、「ああ、自分もこんな時があったな」と優しいまなざしで教え子の成長を願う。

 オフの楽しみは、1歳の愛息と過ごす時間。「子どもの興味があることをやらせてあげたい」と自ら格闘技を勧めるつもりはないが、「全身運動にはすごくいいので、もしやりたいといえばしっかりと教えたい」。いつか親子2代でチャンピオンベルトを巻く日を夢見て、今は更なる高みを目指す。

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