動物愛護啓発活動などを行う「清川しっぽ村」代表を務める 吉島 崇憲(たかのり)さん 39歳
おなじ命 慈しむ心を
○…厚木や海老名など市内外で動物愛護の啓発活動に尽力する。犬猫を保護し、新しい飼い主を探す活動をしている「清川しっぽ村」の代表。現在村には犬10匹、猫80匹ほどが生活している。被災地で保護してきた、村の前に捨てられていた、平塚の県動物保護センターから引き取ってきた犬猫など―。この夏には行政から連絡があり、多頭飼育崩壊現場から30匹超の猫を受け入れるなど信頼は厚い。虐待や飼育放棄、殺処分と問題は山積。「おなじ命。慈しむ気持ちを持ってほしい」と話す口調は穏やかだ。
○…横浜生まれ。小学校の時に犬を飼っていたが、10年経たずに短い生涯を閉じた。「徐々に冷たく固まっていく姿に死を感じた」。美容関係の仕事で多忙な日々を送っていた時、東日本大震災が起きた。ニュースなどを見聞きし、いてもたってもいられずボランティアとして被災地へ。犬猫の現状を目にし、現役員らと2012年にしっぽ村を立ち上げた。今も被災地で給餌活動を続けながら、村では犬猫の世話や見学案内、資金工面など多忙な毎日。「気軽に村の見学に来てほしい。関心を持ってもらいたい」
○…今や「命のバトン」を繋ぐサポーターは増え、徐々に軌道に乗り始めている。「スタッフや協力者、地域の理解があってここまで来られた」。しっぽ村には辛い過去を持つ犬猫の悲壮感はなく、笑顔が溢れる。スタッフらは村を「関わった犬猫人が幸せになる場所」「楽しくて来ている」と話す。「新しい飼い主さんから現状を聞けるとうれしい」とまた笑顔が咲く。「次の世代へ繋がなくては」と、小学校で命の授業の講師も行う。目指すのは「人も犬猫も希望を持ち、心豊かに生きる社会」。動物愛護週間の今、考えたい。川崎市在住。家族は妻と7歳と11カ月の子。
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4月19日