日本ストックホルム青少年水大賞に輝いた、向上高校生物部の部長を務める 緒方 大地さん 向上高等学校3年生 17歳
生き物愛する熱血部長
○…水環境の生態系改善について、優れた研究をした団体に贈られる「日本ストックホルム青少年水大賞」を初受賞した向上高校生物部。昨年9月に部長になり、10人の部員を率いてきた。今回大賞に選ばれたことについては、「苦労を共にしてきた仲間たちと協力して、毎日こつこつと研究してきたことが評価されてとてもうれしかった」と喜びの表情を見せる。
○…全国から15校が参加した今回の研究発表会では、外来種が脅かす生態系の危機への対処法を取り上げた。全国的な情報ネットワーク構築の必要性などを訴え、それが高く評価された。今回の受賞を受けて、8月にスウェーデンで開催される「ストックホルム青少年水大賞」に日本代表として参加が決まった。「世界中の研究者に自分たちの発表ができることは幸せなこと。しっかり準備して臨みたい」と、喜びに沸く部内の雰囲気を引き締める。
○…幼少のころ、よく祖父に連れられて海釣りに出かけた。間近で見る魚の表情や手にとって感じる魚のにおいや感触に驚きながら生き物にのめり込んでいった。3年前に亡くした父との思い出も今の自分に影響を与えた。「小さいころ、父と一緒に虫を捕ったりしたこと。すべての時間がとても楽しかった」。川崎市の自宅から向上高校への通学は、大変だと分かっていたが、「向上の生物部で本格的に生物と向き合いたい」と進学を決意し、今に至る。
○…8月の世界大会が終われば、翌月には部活を引退、受験勉強に集中する。高校を卒業後は、大学で生物学を勉強し、将来は研究者として生物環境の改善に貢献することが目標だ。「地球は人間中心ではないと思います。生態系が中心。すべての生き物が共生できる環境づくりに関わること。それが僕の大きな夢です」。穏やかな口調で熱い想いを語った。
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