市消防本部(高橋登消防長)によると、今年の上半期に起きた火災事案は30件(6月24日現在)にのぼり、昨年の倍のペースであることが分かった。同本部の予防課では、火災に対する注意が散漫になりがちな夏場に向けて、「扇風機や花火の取り扱いなど、細心の注意を払ってください」と呼びかけている。
今年発生した30件のうち、10件は串橋や鈴川などで6月に連続発生している、放火とみられる自動販売機の火災事案。これを引いても半年間で20件の火災が市内で起きていることになり、1年間で19件だった昨年と比べ、倍のペースで発生している計算になる。
なぜ、今年は火災が増えているのか。予防課の森屋和則さんは「気の緩みがあるのでは」と話す。森屋さんによると、東日本大震災の後は、災害関連の報道が多く、おのずと防火・防災意識も高まっていたといい、「震災から時間が経ち、そうした意識が薄れている」ことを要因に挙げる。
20件の火災のほとんどが、コンロの消し忘れなど、日ごろから注意していれば防げていた事案。消防本部では、地元消防団と協力して定期的に巡回パトロールを実施するなど、防火意識の高揚に努めているという。
入念な点検を
こうしたなか、懸念されるのが夏場の火災だ。昨年の7〜9月に市内では8件発生しており、このうち3件は高森や伊勢原の公園で起きた花火が原因。花火のなかでも、特にロケット花火や手持ちの連続花火は草木に引火する危険が高く、予防課では広い場所で花火をするよう呼びかける。
一方、自宅では扇風機の取り扱いにも注意が必要。昨夏以降、押入れに眠っていた扇風機は内部にほこりがたまり、それが引火の原因になる。また、羽根の取り付けのゆるみやコードやプラグの亀裂、モーター部の異常なども考えられるため、スイッチを入れる前に入念な点検が不可欠だ。
予防課によると、7〜9月に起きた市内の火災発生件数は、2010年が7件で、11年は8件だった。上半期の発生状況を考えれば、今年は例年以上に注意が必要。消防本部では「今一度気を引き締めて、火災ゼロを目指しましょう」と呼びかけている。
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