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公民館に最後の作品寄贈 上粕屋の彫刻家 故小野澤さんの遺族

文化

掲載号:2014年9月12日号

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▲(左から)芝山さん、治美さん、石田会長、高山市長◀作品の巡回展示に同行する健一さん(昨年11月20日撮影/治美さん提供)
▲(左から)芝山さん、治美さん、石田会長、高山市長◀作品の巡回展示に同行する健一さん(昨年11月20日撮影/治美さん提供)

 今年6月に他界した彫刻家、故小野澤健一さん(享年74歳/上粕屋)の東日本大震災をテーマにした木彫作品が、このほど中央公民館に寄贈された。9月4日には高山松太郎市長が同館を訪れ、健一さんの妻治美さんに感謝状を贈った。健一さんと生前親交のあった伊勢原美術協会の石田精吾会長、作品の台座を寄贈した芝山勇夫さんも出席し、故人をしのんだ。

 健一さんは、彫刻家として日展や日彫展の審査員ほか、伊勢原美術協会の幹事長としても精力的に活動した。2010年からは「いせはら市展」の実行委員長を4年間務めるなど、市の芸術振興に貢献した。

 人間の表情から筋肉の動きまで忠実に表現された作品の評価は高く、1969年に日展で初入選し、その後は2度の特選にも選ばれている。

命がけの作品

 寄贈された作品のタイトルは「あの日―忘れない」。足元に迫る津波から逃れようとする父子をリアルに表現している。

 健一さんは、高さ140cm、直径60cmのクス材を使用。創作期間は、昨年6月から9月の夏場ということもあり、健一さんはTシャツ短パン姿で丸太にチェーンソーを入れていたという。「やり始めると朝から晩まで。食事もしないでペットボトルの水をのむだけでした」と治美さんは振り返る。

 「被災地の1日も早い復興を願って作品を手がける」。治美さんによると、生前、健一さんはそう言って作業に取り組んでいたという。作品は昨年9月に完成。その後、日展の巡回展示で全国をまわり注目を集めた。昨年11月、健一さん自身も国立新美術館(東京都港区)を訪れたが、その7カ月後、急病で帰らぬ人となった。

 今でも上粕屋のアトリエには、所せましと作品が並ぶ。健一さんは販売を目的としていなかったため、晩年もアルバイトをしながら活動を継続。創作意欲は最期まで衰えなかった。

 寄贈された作品を前に高山市長は「健一さんの震災復興に対する思いをたくさんの方たちに感じてほしい」と来館を呼びかける。作品は、中央公民館1階のエレベーター前に設置される予定だ。治美さんは「一目でも見ていただければうれしい」と話している。
 

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