本紙では就任3年目を迎えた高山松太郎市長に新春インタビューを行った。市長は、まちの発展に不可欠な施策として取り組んでいる「健康づくり」、「観光振興」、「新たな土地利用」をさらに進める考えを示した。観光振興では、市営大山第二駐車場に併設されている公衆トイレの改修やインフォメーションセンターの設置を3月に実施する計画も明かした。
―新たな1年が始まりました。昨年を振り返っての感想をお聞かせください。
昨年は、本市が持続的に発展していくためのまちづくりの重要な課題に対応するため、「健康づくり」、「観光振興」、「新たな土地利用」の3つを重点施策に位置づけ、部局間の横断的な連携を図るなど、全庁一丸となった取り組みを進めました。その結果、市民の健康意識の向上、市内への観光誘客数の増加、新たな産業用地の創出に向けた手続きの進展など、一定の成果を得ることができたものと認識しています。
経費、効果的に
―今年3月にかけて、2015年度の予算査定が大詰めを迎えます。その進ちょく状況と予算編成方針をお聞かせください。
15年度予算編成の進ちょく状況につきましては、財政担当の調整が終了しました。今後、事業担当部局からのヒアリングを通して予算内容の確認、調整を行い、1月下旬に最終予算案を決定したいと考えております。
15年度は、引き続き極めて厳しい財政状況のもとではありますが、第5次総合計画の中期戦略事業プランに掲げる事業を着実に推進してまいります。
市民サービスの維持・向上や、直面する諸課題にも的確に対応しなければなりません。予算編成にあたっては、創意と工夫等により一層の歳入確保に努めるとともに、歳出について徹底した見直しを行って経費の縮減を図ることにより、財源を確保し、新たな事業や既存事業を充実するために効率的、効果的に活用することとしています。
経済活性化
―先月行われた新東名高速道路伊勢原ジャンクションの橋梁架設工事。今後、伊勢原の街並みも大きく変わっていくかと思います。将来の伊勢原のまちづくりに欠かせない、第5次総合計画の進ちょく状況や展望をお聞かせください。
昨年実施した、事務事業評価の結果によりますと、第5次総合計画の初年度である13年度は、中期戦略事業プランに計上した132事業の94%以上が計画どおり、またはおおむね計画どおり進ちょくしています。
14年度につきましても、事務事業評価を行い確認することになりますが、全体として順調に進ちょくしていると認識しております。
15年度は現在の中期戦略事業プランの最終年度であることから、計画に掲げる事業の着実な推進を図り、「しあわせ創造都市いせはら」の実現を目指したいと考えております。
また、超高齢社会を見通した社会保障費の抑制や、開通が間近に迫る広域幹線道路の整備効果を踏まえた地域経済の活性化など、本市が持続的に発展していくための「まちづくり」の重要な課題に今後も適切に対応していく必要があります。そのため、14年度に注力した「健康づくり」、「観光振興」、「新たな土地利用」につきましては、15年度も引き続き重点を置いて取り組んでまいります。
「今こそ、千載一遇のチャンス」全国にPR
―伊勢原高校の18年ぶりとなる春高バレー進出をはじめ、和歌山国体クレー射撃の実施。市内でスポーツが盛り上がってきています。今後のスポーツ振興についてお聞かせください。
本市では、健康文化都市宣言の理念のもと、第5次総合計画において「健やかに生き生きと暮らせるまちづくり」を目指し、運動やスポーツを通じ健康づくりを図ることを掲げています。運動・スポーツが市民の健康寿命の延伸や高齢者の自立に効果があることを踏まえ、庁内の横断的組織である連携・連動推進チームを中心に、健康・体力づくりの施策に取り組んでいます。
今年は、伊勢原高校女子バレー部が18年ぶりに全国大会である春高に参戦します。高校生らしい元気いっぱいのプレーで市民に勇気と感動を与えるような試合をしてほしいと思います。
10月には、県立伊勢原射撃場で和歌山国体のクレー射撃競技会が開催されることを捉え、市民およびスポーツ関係団体等の協力体制の強化を図りスポーツの推進、地域の活性化につなげるとともに、全国から集まる選手や役員、多くの観客に伊勢原の魅力・特産品等のPRをする機会にしていきたいと考えております。
市民の健康づくりを推進するため、観光マップ、文化財マップなどを統合したウォーキングマップの作成や、1986年の「健康・文化都市宣言」を機に制作した市のオリジナル体操「すこやかリズム体操」の再普及も進めております。この3月にはこうしたツールを活用したイベントを開催するとともに、東海大学体育学部の協力もいただき、ウォーキングの効果や運動を継続させるための条件、運動・スポーツの心理的効果などをテーマにした講演会なども予定しています。
観光客誘致に力
―昨年は「クルリン」がゆるキャラグランプリで27位と健闘。大山では観光イベントも多数開かれ紅葉には多くの観光客が訪れました。今年はケーブルカーの新調も控え、ますます観光が注目される年になるかと思います。今後の観光振興についてお聞かせください。
クルリンのゆるキャラグランプリ参戦は、初出場ながら、ご当地キャラクター部門で27位という成績を残すことができました。グランプリへの参加を通じて、市民意識や郷土愛が醸成され、伊勢原市の知名度を向上させることができたのではないかと思っております。
昨年は平成大山講プロジェクトの取り組みの一環として、大山石尊芸術祭と銘打ち、大山阿夫利神社能楽殿で火祭薪能およびかながわ観光親善大使・河村隆一さんによるコンサートも実施しました。ソフト面では、国際観光地を目指すため、大山おもてなしプロジェクトとして、市内の民間事業者が外国語を併記した看板や商品メニュー等の作成費用を助成する大山国際化推進おもてなし事業補助金の創設と、外国人観光客に対しての効率的・効果的な情報発信のあり方や、今後の外国人誘客の検討材料として活用するため、大山を訪れた外国人観光客への総合調査を実施しました。
今年はまず、3月までに来山者が必ず目にする「大山の顔」である市営大山第二駐車場に併設している大山モータープール公衆トイレのリニューアルと、情報発信拠点として、インフォメーションセンターの設置を行います。
また、今年は開業50周年を迎える「大山ケーブルカー」の大規模設備更新が予定されています。大山ケーブルカー改修期間(5月中旬〜9月末)における新たな誘客対策事業を展開していきたいと考えています。
子育て支えるまちへ
―来年度始まる「子ども・子育て支援新制度」。少子高齢化や人口減少が懸念され、子どもを生み育てにくい社会と言われます。市の考え方をお聞かせください。
本市が活気あふれるまちとしてこれからも発展し続けるためには、人口の維持が望まれることは言うまでもありません。
人口を維持するための取り組みとして、第5次総合計画で「子どもの成長をみんなで見守るまちづくり」を基本政策に掲げ、子育て支援や保育サービスを充実させ、子どもを産み、育てやすい環境のまちづくりを目指すこととしています。
15年度から子ども・子育て支援新制度がスタートし、国を挙げて少子化対策に本格的に取り組んでいくこととなります。新制度のもとでは、これまで以上に行政と関係機関との連携を強化し、一体となって、現在策定している「伊勢原市子ども・子育て支援事業計画」に掲げる基本理念である「子ども一人一人の健やかな成長と子育てをみんなで支えるまち・いせはら」の実現を目指していきたいと思います。
―市民へのメッセージを
広域幹線道路やインターチェンジの開通を控え、伊勢原はまさに今、まちが変わる千載一遇のチャンスを迎えようとしています。この好機を確実に捉え、誰もが幸せを実感できる明るい未来を目指し、子や孫の世代のために一生懸命取り組みます。
(聞き手/本紙編集長・勝浦勝)
伊勢原版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
愛甲石田駅近く家族葬専用式場「ゆかりえ」家族葬から樹木葬。友引の日に無料相談会を開催しています。 |
愛甲石田駅近く家族葬専用式場「ゆかりえ」家族葬から樹木葬。友引の日に無料相談会を開催しています。 |
<PR>