「伊勢原ボランティアパソコンサークル」の代表を2012年から務めている 細田 剛さん 桜台在住 75歳
原動力は「人のため」
○…初心者や久しくキーボードを触っていない人を対象に、南公民館でパソコン教室を開いている。受講生は60代が中心で、講座は３カ月間にわたって全12回。２００３年３月に第１期生が卒業し、今月９日には45期生の授業がスタートした。教室を主催する「伊勢原ボランティアパソコンサークル」の代表として、これまで６００人以上に電源の入れ方から文書作成、表計算などを指導してきた。「趣味の世界を広げるお手伝いができれば何より」と充実した表情でボランティア活動を続けている。
〇…サークルの発足は２００２年の12月。ちょうど公民館にパソコンが導入されたころで、「せっかくの設備を市民に役立てよう」と仲間が集まった。最初は不慣れだった指導も10年が経ち「分かりやすい」と評価されるほどになった。しかし、科学の世界は日進月歩。「最新の知識を仕入れるため、メンバー同士の情報交換は欠かせない」と、受講生と同様に勉強の毎日を送っているそう。
〇…理系の道に進むきっかけは小学生の時。幼児向けの玩具に興味を持った。「車輪の付いた胴体を前に押すと、なぜカタカタ鳴るのか」。そこで玩具を解体し、しし脅しの原理が使われていることを突き止めた。４年生の夏休みにはオリジナルの「カタカタ」を作り、完成度の高さを先生にほめられた。６年生になると今度は新聞配達でお金を貯めラジオを製作。「作り上げた達成感や感動は今も残っています」となつかしむ。
〇…伊勢原中学校を卒業後は、東京電機学園、立教大学理学部に学んだ。社会人になってからは県内の企業で半導体やコンピューターの開発に尽力。現在は妻と２人で暮らしている。趣味は読書だが、やはりパソコン教室に費やす時間が多い。「受講する方がいる限りは頑張ろう」と、インターネットの入門講座を新設する計画も進める。受講生の学びの場はこうしたパッションに支えられている。
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