チェンバロ製作家としてコンサートで楽器の魅力を解説した 玉利 遥時さん 沼目在住 68歳
こだわりの「芸術家」
○…チェンバロ製作家としてこのほど、カフェ&居酒屋「風海」で行われたコンサートで楽器を解説した。ピアノに似た形状だが、鍵盤を用い、弦をたたいて音を奏でるピアノと違い、チェンバロは小さな爪が弦を弾いて音を奏でる楽器。「人の心に深く入り込むような音色の鋭さがあり、その音に癒される」と目を輝かせる。
○…新潟県長岡市出身。4歳で東京へ転居するが、その後再び生まれ故郷へ。標準語に慣れたことで周囲に馴染めず、母親が「音楽に夢中になれば、寂しくないだろう」とバイオリン教室に通わせた。母親がクラシックと映画が好きだったため、自身も音楽と映画で育った。小学生でベートーベンの『月光』を聴き涙する、感受性豊かな少年だった。
○…高校2年の時再び東京へ。所属した音楽部の友人から勧められたチェンバロのレコードに感動し、どうしても手にいれたくなった。父親に懇願したが、当時の金額で200万円ほどの高額な楽器だったため、許してもらえず、それなら自分で作るしかないと、高校を卒業後、チェンバロ製作の第一人者に弟子入りを志願。しかしそこで目にした材料に納得がいかず、独自で製作することを決意した。帰りに渡されたチェンバロ製作を記した本を頼りに独学で作り方を習得。20歳で初めて製作した。「当時音大生だった妻が、学園祭で弾くためだった。納得できない仕上がりだったから、恥ずかしくて翌日壊したよ」と振り返る。
○…30年前、子育てに良い環境を求めて伊勢原へ。自宅兼工房で製作活動を続けている。「職人ではなく芸術家。こだわりは強い。でも常に謙虚で、おごらずにいることが信条かな」。自作のチェンバロを愛おしそうに奏でた。
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