市内日向地区で、約50年前まで採石されていた「日向石」を活用した、住宅用建材のタイルがこのほど完成し、市内の新築住宅で初めて取り入れられた。
この取り組みは、日向石の産業を復活させ、歴史や文化を後世に伝承する民間のプロジェクトの一環。市内桜台にある(有)小山建築設計事務所の一級建築士、荻野貴文さん(34)と、上粕屋に本社・工場を置く(有)成瀬石材店の代表取締役、成瀬善之さん(41)の2人が中心となってプロジェクトを進めている。
大山とこまモチーフ
同プロジェクトでは、今年1月に日向石の原石を搬出して調査。石を割って中心部が青いことなどを確認した。今回はこの原石を活用し、建築材料に応用。幅7cm×高さ3・5cmのタイルは、凸部を上に向けると「大山」、下に向けると「大山こま」をモチーフにしている。
このタイルは、(株)高井工務店が施工した市内の新築邸宅で採用。玄関の飾り棚の壁に約200枚が使われ、間接照明とともに玄関を明るく華やかにさせている。また、同邸宅の玄関アプローチにも、日向石の古材が再利用された。
荻野さんは「かつては日向石が各家庭に存在し、伊勢原の文化や風景を作っていたと思う。今後、日向石が少しずつでも地域で取り入れられ、街に一体感が出せたら」と語る。
同プロジェクトでは、大山を模った箸置きの商品化もめざしている。成瀬さんは「これからも多くの人の目に触れる機会を作っていきたい」と話した。
日向石は日向地区で採掘される凝灰岩。約350年前に石切場が開発され、近隣の厚木市七沢地区、清川村煤ヶ谷地区と並んで、大山の東側で採石が盛んに行われてきた。他の産地から石材を購入し、加工するようになったことで、日向石は採石されなくなった。
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