障がい者フラチーム「プメハナ」指導者 森 京子さん 綾瀬市早川在住 69歳
徒然なるままに
○…いよいよ9日後に迫った福祉ふれあいまつり。出演にむけ、メンバーも練習に熱が入ってきた様子だ。障がい者へのフラ指導を頼まれたのは5年前。以来毎月2回の練習で指導している。彼女たちは感情をあまり言葉にしない分、わずかな表情の変化で気持ちを推し量る。福祉の経験や知識は何もなかったが、彼女たちと心をぶつけ合って、一緒に根気よく練習を続けてきた。
○…会社員時代、社員旅行で見たハワイアンディナーショーに一目惚れした。ロングワンピースでしなやかに美しく揺れる女性の姿とゆったりとした音楽。当時はまだ少ないフラ教室を探して、綾瀬から茅ヶ崎の教室まで通った。6年ほど通い、子育ても一段落した頃に1カ月間ハワイでホームステイも経験。ライブハウスなどでショーをするうちに、バンドメンバーから出演の誘いが来るまでになった。「あの頃は本当に楽しかった。スポットライトを浴びて、大きな舞台で踊るの」。舞台袖の緊張感、ステージでの開放感、終わったあとの高揚感、思い出して目が潤んだ。
○…趣味の海外旅行では、ハワイはもちろん、イタリア、スペインやイギリスなどヨーロッパ各国、ペルーやカンボジアなども旅する。社交的で、言葉がわからなくても現地の人たちと会話を試みる。生活感漂う市場などに足を運び、楽器を演奏するストリートパフォーマーや子どもにも、日本語を交えたボディランゲージで心の会話をする。「なんとなく分かりあえたら、それでいいじゃない」
○…自分にも相手にも、ありのままの気持ちを受け入れる。チャレンジするときは不安や迷いがあっても、それは付き物だからまずはやってみる。憂鬱や失敗は根に持たず、線引きしてまた新しく始める。心が向くままに。教室では障がいを抱える彼女たちに、歌詞に込められたハワイの風景やロハスな心意気、そんな「心」の躍動をフラで伝えている。