2012年の年頭を飾る企画として、本紙では笠間城治郎綾瀬市長に新春のインタビューを行なった。今年が任期2期目の最終年となる笠間市長は、これまでに取り組んだ住環境の整備に触れつつ、「今必要なのは温かな絆」などと想いを語った。
(聞き手/本紙綾瀬版編集室 笹山真琴)
――まず、2011年をお振り返りください。
「昨年は、3月に発生しました東日本大震災や9月の台風15号など、災害対応に追われた1年でした。
綾瀬市では、地震による大きな被害は幸いございませんでしたが、改めて防災施策の重要性を平常時以上に痛切に感じております。
また、台風15号は、市内でも、最大瞬間風速38・7メートルを記録し、風による被害が多数発生しました。樹木の倒壊や、信号機のずれ、断線による停電などによって、市民生活に大変な影響がありました。
このように多くの被害が発生しておりますが、幸い河川の氾濫や土砂崩れなどは発生しませんでした。
何万人もの避難勧告などが出た市もある中で、綾瀬市は地形的には比較的安全な都市なのではないかと感じております。更に、地域防災計画の見直しを進め、万全を期してまいります」
――都市機能の再構築と産業の活性化を重視していましたが、進捗や満足度はどのようにお考えですか。
「市では早川城山と深谷中央の二つの区画整理事業を進めております。早川城山区画整理事業により、城山公園一帯には、閑静な街並みが完成しつつあります。
もう一つの深谷中央の区画整理事業につきましても、長年懸案となっておりました地域について、昨年9月末に地権者と契約を交わすことができました。
これにより、センター区の都市基盤整備など、事業が大きく前進することになると思いますので、是非、市民の皆様にも期待していただきたいと思います。
また、19年度から整備を進めております、綾瀬スポーツ公園も、既に人工芝のサッカー場が完成し、休日には、市内外から多くの利用があり、大変喜ばれております。
3月には、テニスコート6面、ソフトボール場、レストハウスも完成し、この場所が、綾瀬のスポーツの中心になるものと期待しております」
――24年度予算の見通しは、いかがでしょうか。
「震災や歴史的な円高水準、タイの洪水等の影響を受け、24年度も大変厳しい状況が予想されます。予算編成途中なので、はっきり決まった数字ではありませんが、市税全体で、昨年と比較すると、2億円減の126億円程度に留まるのではないかと思います。
そうした中では、これまで推進してきた財政改革に加え、新たな財源の確保が重要であると感じております。また、負担の公平性の観点から、納税意識の向上を図り、収納率のアップを図っていきたいと考えております」
――24年度の重点事業についてお聞かせください。
「24年度予算は、本市の目指す「住み続けたいと思えるまち・一度は住んでみたいと思えるまち」の実現に向け、まずは、市民生活に密着した、「福祉・健康・環境・安心・教育」といった分野に財源を配分する必要があると考えております。
24年度予算ではありませんが、特に福祉分野では、今年4月の完成を目指し、大上保育園の建て替え工事を進めております。
これにより、定員は現在の70名から40名増えて110名となり、地域の待機児童解消に大きく貢献できるものと考えております。
新園舎は、ランチルームとして利用できる多目的ホールや一時保育室などを設けるとともに、バリアフリーを実現し、また、太陽光発電やLED照明などを導入した、地球環境にもやさしい設計としております」
――今年の抱負と市民へメッセージをお願いします。
「今必要なのは、何よりも、温かな絆ではないでしょうか。一人ひとりの存在は小さいけれど、私達は、一人ではありません。厳しい時代だからこそ、市民の皆様とこれまで以上に心を合わせ、力を合わせて、よりよい明日へ進んでいきたいと思います。
本年が皆様にとって幸福な年となりますよう祈念し、新年のごあいさつといたします」
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