人間力大賞2012 学生ボランティアの不安解消 「復興創造特別賞」に島田悠司さん
島田さんは学生の復興支援団体「Youth for 3.11」代表。東日本大震災被災地など、ボランティアを必要としている場所と、ボランティアに参加したい学生の間にたち、事前研修や交通手段、宿泊場所などが整ったプログラムを用意している。
「1週間ボランティアに行くには通常数万円かかり、せっかく気持ちや時間があっても学生にはかなりハードルがあがってしまう。僕らは助成金などを活用し、不安や負担を少しでも下げられるようにしています」。学生達に広く浸透しているソーシャルネットワーキングサービスを駆使し広報。団体の登録者数は6000人を超え、これまでにのべ1万人以上の学生ボランティアを被災地へ派遣した。「心・物・お金、3つのハードルを下げることを目指しています」。震災だけでなく、最近は水害を受けた九州や京都にもボランティアを派遣した。
島田さんが入団したきっかけは2011年7月に同団体を通じ、陸前高田市と気仙沼市でボランティア活動したことだった。そこに何があったのかもわからない風景や暑さ、臭いを体感し、仕事を退職して被災地でボランティア活動する人達とも出会い、大きな衝撃を受けた。「もっと多くの学生が復興支援に関心を持って、想いを形にできるようにしたい」。被災地から戻ってすぐ、団体のメンバーとして活動することを決めた。ジャーナリストとコラボした写真展の全国キャラバンなども立ち上げ、12年4月には2代目代表の役職を引き継いだ。
来春には卒業予定。「ボランティアは貴重な経験。未来を担う学生が変われば日本だって変われるはず。僕らが卒業しても維持できる仕組みを残したい。助成金も減少傾向にあるので組織を安定させたい」と島田さん。スポンサーや寄付金も募集している。団体についてはShttp://www.youthfor311.com/で発信している。