創立50周年を迎えた綾瀬市身体障害者福祉協会の会長を務める 西川 和朗さん 寺尾釜田在住 64歳
人と会い、前向きな力湧く
○…障がいを抱える人たちが手をとりあい助け合う会「綾瀬市身体障害者福祉協会」。会長として、車いす生活の中週2回は外へ出て会議や活動に励む。会長は今年で7年目。会には肢体や視覚など様々な障がいを抱える人が所属しており、それぞれのニーズを把握し、「どんな気遣いができるか。いろいろ知ることができた」ゆったりと話す。
○…高校卒業後、好きだった機械業に就き24歳で結婚。子ども2人にも恵まれ、懸命に働き、工場の責任者も任されるまでに。その矢先、事故は突然のことだった。28歳の冬、仕事を終えて、会社の道路向かいにあった飲食店へ仲間と行こうと横断した。そこからぷつりと記憶は切れ、目が覚めたのは一週間後だった。病院のベッドで、胸から下の感覚がなくなっていた。頸髄損傷。「今後は車いすで生活できる」と医師に言われた。これまでとのギャップに葛藤し、現実を受け止めることはとても困難だった。ただ「幼子を育てる妻にできるだけ負担をかけたくない」。その一心で一刻も早い自立を目指した。
○…「それまでの過去とは繋げない。新しいものを取り入れるのです」。現在は障がいを抱えて間もない人のサポートも行う。自分自身も車いすで元気に生活する人たちの姿があったから将来の自分を描き、前に進むことができた。「閉じこもらずに外へ出てほしい」。最近は若い会員が少なく、それが心配の一つでもある。
○…休日に買い物に出かけると、小・中学生が助けてくれることがしばしばある。「書店で棚にある本を取ってくれたり、子どもはとても素直で優しい」。助けてもらうなかで感謝の気持ちも人一倍感じる。たくさんの人に会い、さまざまな話を聞く事で前を向き、背中を押されてきた。50周年の節目にこれからの目標を尋ねると、ふと陽光を見上げ、穏やかな表情で「もっとたくさんの人達を集めて、外に出て、身になる活動をしていきたい」と話した。