援農ボランティア卒業生として初めて農産物品評会でダブル受賞を果たした 石戸谷 嘉明さん 上土棚在住 68歳
努力と愛情で育てる
○…援農ボランティアを卒業後、2年目にして農産物品評会でサツマイモの1等とブロッコリーの3等をダブル受賞した。卒業生によるダブル受賞は今回が初めてのことで「素直に嬉しい」と素朴な笑みを浮かべた。21年から24年まで市の主催する援農ボランティア講座を受講。この間、県主催のオープンファームにも参加するなど農業技術の習得に余念はなかった。この援農ボランティア養成講座は市内の農作業を手伝いするボランティアを養成するためのもので20年度から始まった講座。「2期生になるのですが、今でも声をかけてもらう農家には駆けつけます」と目を輝かせる。昨年の7月には農業委員会を通じて市内落合に一反の土地を借り受けて農作業に精を出している。
○…昭和2年に6人兄弟の末っ子として秋田県に生まれる。就職のため関東に来てからは機械工や旋盤工として各地の工場を転々としながら定年を迎え、その時にふと「農業をやってみよう」と思い立ったという。その気持ちの冷めないうちにと、市民農園に参加。「すっかり”土いじり”にはまってしまって」と、その勢いのままに農業ボランティアへ応募した。積極的な姿勢で技術を学びながら独学で肥料なども研究。「作物には愛情が大切。やればやるだけそれが形になってくるのが嬉しい」とタブレット端末を操り、その成果も披露してくれた。
○…趣味は「自転車で走ること」。江ノ島はもちろんのこと、箱根や三浦半島までを愛車とともに風を切るのが大好き、と話す。ただ、農業を本格的に初めてからはなかなかまとまった時間が取れないのが目下の悩みだ。23歳で結婚、綾瀬に住んで40年になるが「当時は道路もなく、家も少なかった」と昔を懐かしむ。娘さんの子どもは小2と小5の二人。「たまに畑に遊びにきては楽しそうな笑顔をみせるんだ」とお孫さんの話になると本当に柔らかな表情を見せた。