市役所ロビーにボランティアで常設展示を行う綾瀬市華道協会の7代目会長を務める 福谷 芳曈(ほうとう)(本名:千代子)さん 深谷南在住
目標に向かい前へ、前へ
○…「市役所を訪れた人たちに季節の花で和んでもらえたら嬉しい」と、柔らかな表情で微笑む。1981年から市文化会館でボランティアの常設展示を始めた。今は市庁舎ロビーに場所を移し、会員が持ち回りで担当して周期的に作品の入れ変えを行っている。活け替えをしていると、「いつもキレイですね」など声をかけてくる人も少なくないそうだ。趣向を凝らした作品が、訪れた人々の心に彩りを与えている。
○…今年4月に43年目を迎える市華道協会は、市内8流派67人が所属している。武相華道連盟展・県華道連盟展・市文化芸術祭華道展への出展が主な活動だが、日本伝統文化である「華道」を伝えていくための普及活動も行っている。子どものうちから親しんでもらおうと市文化芸術祭で実施している子ども体験教室がその一つ。「生のお花には、扱わなきゃわからない感動がある。それを感じて欲しい」と目を輝かせる。
○…生まれは山口県。40年暮らす綾瀬には、結婚後に移り住んできた。花を嗜んでいた母の影響で、中学で華道部に。「厳格な父が私の作品を来客に見せていたの。それが嬉しくてのめりこんだのが始まり」と原点を話す。その後、進学先に華道部がなく一度は離れるが、社会人になって再び習い始め現在に至る。たくさんの人に気軽に親しんで欲しいという思いから、ほぼボランティアで出稽古を行っているそうだ。「作品を創ることでお花も空間も素敵になり、自分も満足感を得られる」と、華道の魅力を熱っぽく語る。
○…会の活動だけでなく、個人的にも様々なボランティアを行うなど精力的に活動している。会の維持継続と会員増強など会長としてやるべきことは多いが、「個人的にもやりたいことがたくさんあるの。歌が好きだから、ボイストレーニングを習いたいし、英会話も覚えたい」と話すはつらつとした笑顔は、日々の充実感が溢れていた。